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コラム 樹海

 経済同友会が「小泉首相の靖国参拝に反対する」「靖国神社に代わる無宗教の追悼碑建設」を提言し話題になっている。同友会はかなり大胆な発言をすることで知られるが、日本を代表する経済団体が、このように思い切った意見を述べるのは異例と云っていい。提言を決める幹部会も議論が多く、異論もあったらしいが、多数決で決まったそうである▼小泉首相の靖国参拝については、経済人に反対があるのは事実である。雑誌などの座談会でも反対論を打ち上げるけれども、その論拠はあまり評価できないものが多い。もっと有り体には、商売がやり難いと云っているに過ぎない。恐らく―某方面からの圧力?があるのかもしれない。だが、政治と経済は別個のものであり、商売がきついからと政治を曲げることは許されない。ここが、肝心なところである▼この提言に対して首相は反論し、政界も殆どが同友会を厳しく批判している。もともと、中国が靖国参拝を非難するのがおかしい。戦争で亡くなった人々の霊を慰めるのは日本の文化であり、これを外国からとやかく云われる筋合いはまったくない。勿論、国内にも首相の参拝に異見を述べる人はいるけれども、それは限られたものでしかない。宗教色を抜いた追悼碑にしても、国民的な合意には遠い▼東京九段の靖国神社には、二百四十数万人の霊が祀られている。今年の春季慰霊祭には大東亜戦争の遺族や市民ら二十数万が詣でたし、小泉首相もきちんと参拝している。これを見れば、追悼碑の構想がいかに実情を離れているかが解ろうと云うものである。   (遯)

 06/05/13