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県連=「頼られる県連に」=執行部が就任あいさつ

2006年5月11日(木)

 先月発足した県連新執行部の役員が十日、就任あいさつのため本紙を訪れた。今年のフェスティバル・ド・ジャポンまであと二カ月。創立四十周年式典も控える中、昨年度の未払い金が発覚するなど、発足早々対応に追われる執行部。これから二年の任期への抱負など聞いた。
 先月二十日の定期総会で選出された松尾新執行部。選挙の疲れをいやす間もなく、問題は山積しているようだ。
 喫緊の課題は、開催まで二カ月と迫った第九回フェスティバル・ド・ジャポン。現在会場設計と予算編成が進んでいる。
【第九回フェスティバル】
 会場の計画については前執行部が検討していたものを叩き台に進めているという。今後実行委員会による会合を開き、計画が固まった上でスポンサー集めに力を入れたいとしている。
 昨年初めて百万レアルを突破した開催予算について松尾会長は「県連の経費を抑えることが重要」と話す。大西博巳、清藤イナ副会長のように執行部、県人会長の中に弁護士や会計などの専門家がいることから、こうした人材を活用して経費を削減、黒字を目指す考えだ。
 スポンサー集めが遅れていることで規模の縮小が予想されることについて、会長は前年と同規模のものになるとの見通しを示した。
 実行委員長の加藤恵久・鳥取会長が強調するのが、若い世代の参加。第八回フェスティバルでは、県人会青年部を中心に多数の若者がボランティアとして参加していた。会場整理など運営面に限らず、各郷土食のスタンドでも、若い世代の参加は不可欠だ。
 フェスティバルのもう一つの目的として加藤委員長は「日本文化を伝え、残していくこと」を挙げる。さらに「県人会のフェスティバル」であることも強調。開催にあたっては各県人会の協力が重要と述べた。
 昨年度の未払い金問題については、現在状況把握につとめている段階。「まずは今年の準備を優先しなければ。今後話し合いを進めながら、前向きに解決する態度で臨みたい」と松尾会長は話す。
【百周年と県連】
 このたび県連内に設置された県連百周年イベント委員会。委員長の吉加江ネルソン相談役は、現在県連から百周年協会に提案しているプロジェクトについて、同委員会で検討していく考えを示した。
 日本移民百周年に関しては松尾会長が県連代表をつとめる。松尾氏は文協副会長時代に百周年協会総務委員をつとめているが、今後は県連会長としての参加になりそうだ。他の会長、顧問等の祭典協会への参加も進めていくという。
【青年交流】
 青年交流委員長の菅原パウロ第二書記(香川会長)は五十代。県人会長の中では若い世代になる。はじめて設置された同委員会について「まだはっきりしていない」としながらも、「先輩に教わり、若い世代の話を聞きながら、世代の間に立ってまとめていけたら」と話していた。
 「新執行部はやる気十分。みんなでやっていけると思います」と松尾会長。ガラス張りの運営、会計の透明性、県人会活性化、そして対日関係強化の四つの指針とともに、まずはフェスティバルの準備に集中する考えを示した。「(会計のことなど)皆さん心配されているでしょうが、これを乗り切って、頼られる県連を目指したい」と抱負を語った。