2006年5月10日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】今年十月に行われる統一選挙に向けて労働者党(PT)は八日、メルカダンテ上議をサンパウロ州知事党公認候補に指名した。
七日に行われたサンパウロ州党大会ですでに出馬を表明していたマルタ元サンパウロ市長との指名決定の党員による投票で制したもの。これにより三月に知事選出馬を宣言したセーラ候補(ブラジル民主社会党=PSDB、出馬のためにサンパウロ市長職を辞職)と事実上一騎打ちとなる。
PTはこれにより、未だ大統領続投の意思表示をしていないルーラ大統領の出馬を既成事実として受けとめ、ルーラおよびメルカダンテ候補の抱き合わせ選挙運動を展開していくことを申し合わせた。
対抗馬のPSDBもアウキミン前サンパウロ州知事とセーラ前市長の一枚岩で挑んでおり、中央と国内第一の州での二大政党による熾烈な戦いに発展していくことになる。
PTサンパウロ州党大会は七日、サンパウロ市内のホテルで行われ、党員一九万二九六〇人のうち六万八四五五人が出席した。党では八万人を予想していたが、ペレイラ元事務局長の裏金暴露発言があったことで反首脳部の動きもあり出席が下回った。
これら党員によりサンパウロ州知事選の指名投票が行われ、即日開票されたものの八日に最終結果が発表された。それによるとメルカダンテ上議の得票は三万五六二六票で、対立候補のマルタ元サンパウロ市長の三万一八六九票を上回った。有効票は六万七四九五票、白紙が三七八票、無効が五八二票だった。
初日に開票を終えたサンパウロ市内の投票ではマルタ候補が一万六五九一票で、メルカダンテ候補の八三九〇票を倍近く引離し、元市長としての知名度と人気の程を示した。しかしサンパウロ州地方部では逆にメルカダンテ候補が一万七四八九票と、マルタ候補の七五二六票に大きく水をあけて勝利を手中にした。大サンパウロ市圏では九七四七票対七七五二票で拮抗したものの、わずかにメルカダンテ候補が制した。
メルカダンテ候補は出馬の表明が一歩後手に回り、上院リーダーの立場から党員の根回しが十分とは言えなかったが、サンパウロ州内五十七の党員市長のうち五十六市長が支援に回ったことが功を奏した。
選出されたメルカダンテ候補は演説で、国内の経済の機関車というべきサンパウロ州知事選での勝利は至上命令だとし、とりもなおさず全国の有権者の二二%を占める大票田であり、ルーラ政権続投に向けて中央政府との表裏一体が不可欠だと訴えた。
いっぽうで敗れたマルタ候補は、しこりを残さないようにとメッセージを送ったルーラ大統領の支持に従い、一致団結を誓うと述べた。