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コラム 樹海

 在日米軍の再編で日米政府が最終合意したのは喜ばしい。勿論、沖縄の普天問飛行場の移転や山口県岩国市などの問題はこれから政府との話し合いで解決されるが、大局的に見れば―大きな前進と見ていい。沖縄では海兵隊の兵士ら8000人がグアムに移転する。この家族らを含めると17000人に達する大移動であり、戦略的にも大いなる意味を持つ▼沖縄では普天問飛行場を始め5施設が全面返還されるし、これについては県民らも歓迎している。返ってくる900ヘクタールに及ぶ跡地利用や地権者への補償といった課題が残るけれども、基地減少という夢に一歩でも近づいたのは結構なことだ。稲嶺恵一知事も「全体として沖縄の基地負担軽減の方向が示されており、高く評価する」と語っている▼しかし―普天問飛行場の移設に関しては政府と地元の意見が異なっているし、これからの交渉による詰めがいる。確かに、沖縄の基地負担は重い。在日米軍の基地や施設などの大半が沖縄にあるし、軍用機の墜落や米軍兵士による痴漢など犯罪もそれなりに多い。こうした「負」からの解放を望むのは当然であり、負担軽減の叫び声にも力がこもる▼だが、国の安全保障は政府の責任であり、日本全域の安全を守る必要がある。そのためには何処かに軍事基地がいるし、実力部隊もいる。北朝鮮のミサイルが列島上空を飛び、中国の軍事増強も凄まじい。18年間―国防費は連続で二けた台も伸び周辺国の「脅威」となっている現実もある。沖縄や岩国の人々も、こうした国防の観点にも目を向けて心を配って欲しい。 (遯)

06/05/06