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子供の体格評価に新基準=ブラジルでの採用は来年以降

2006年5月5日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】WHO(世界保健機関)は二十七日、世界の五歳までの子供の体格の新しい規格基準を発表した。これまでは国別あるいは地域別に基準が設定されていたが、これを廃止して各国共通に統一した。
 WHOはブラジル、ガーナ、インド、ノルウェー、オマーン、アメリカなどの生活条件の異なる〇歳から五歳までの子供八千人を対象に七年がかりで調査した結果、成長のカーブが同一であることを突き止めた。ノルウェーでわずかに変化が見られたものの、基準を別にするには至らなかった。
 調査の対象となった子供は生活環境や保健衛生が同条件のもので、母親が煙草を吸わないこと、家族の収入が最賃の六倍以上であること、保健サービスが同水準であること、生後六カ月まで母乳で育ったこと、定期的に予防接種を受けたことを前提に行われた。双子や未熟児は外された。
 新規格によると、男児の一歳は身長が七六センチと体重が九・五キロ、二歳ではそれぞれ八八センチと一二キロ、三歳は九六センチと一四・五キロ、四歳は一〇三センチと一六・五キロ、五歳は一一〇センチと一八・五キロとなった。女児は一歳が七四センチと九キロ、二歳が八六センチと一一・五キロ、三歳が九五センチと一四キロ、四歳が一〇三センチと一六キロ、五歳が一一〇センチと一八キロ。このほか体の肉つき状態も盛り込まれている。さらに成長目標も設けられた。座ったり立ったり、歩き始めるなどの動作で現在とかなりの変化を見せている。
 この発育の過程調査では、肥満児や母乳の少なかった子供との比較も行われた。注目されるのは肥満児の増加で、これまでの規格基準で標準とされていた二〇%が肥満に分類されることだ。
 WHOではこれまで世界で二百万人が肥満児と見なしている。と同時に栄養不良児も増えるとしている。統計では現在一億七千万人の子供が標準体重に満たず、毎年三百万人が栄養失調で死亡している。新規格は基準変更に時間を要するためブラジルの小児科医が採用するのは二〇〇七年以降になるとみられている。