グァタパラ移住地でシャンパニャが昨年頃から実をつけ始めたという。皮の加工用みかんである。実がとれた時点で、加工(砂糖漬け)法の普及活動が始まった。移住地名産が、また一つ増えるかもしれない▼毎週末、アスファルト舗装が少ない地方のシチオに行っている人は別だろうが、コンクリートで周囲を覆われたところで暮らしている向きには、移住地の隣り組同士で新しい果物を栽培し合い、その加工の方法を教え合っているのを知ると、本当に「いいなぁ」とうらやましく思う。自家栽培の果物で加工食品をつくる、こうしたことが好きな人には堪(こた)えられないだろう▼グァタパラ移住地では、五年ほど前、在住者の一人の世話で、多くの人たちがシャンパニャの苗木を植えたという。それが実をつけ始め、今度は移住地の新聞が、加工の仕方を図入りでていねいに解説している。すでに、セブラエの講習会でも有志に製法が伝えられた▼グァタパラというところは、数多くはないが、戦後サンパウロ州に造成された、代表的な移住地だ。すでに代替わりが進んでいるが、それでもブラジルには珍しいほど、同化がいい意味で行われていない。少なくとも外部の目にはそう映る。移住地在住者たちの人間関係のほどよい濃厚さが好ましい▼先年の「山くらげ」も住人の一人が導入して栽培者が増え、商品は〃中央〃にまで進出した。シャンパニャの加工品が都会生活者たちの支持を得るのも、そう遠いことではないかもしれない。(神)
06/05/05