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慢性病、滋養強壮に黒米=ピンダで初の国産品登場

健康広場

2006年5月3日(水)

 短粒で半ば丸みを帯び、なめらかな肌触り。味はナッツを思い起こさせる。国産初の黒米「IAC─600」が〇五年終わりに初めて、ピンダモニャンガーバ(サンパウロから百四十五キロ)で収穫された。
 カンポス・ド・ジョルドンなどの市場で販売されており、フォーリャ・デ・サンパウロ紙もグルメ欄(四月二十日)で大きく扱った。「薬米」「長寿米」と表現されるほど、栄養価が高い。
 原種は中国。明の時代、李時珍の『本草綱目』に、滋養強壮に優れ造血作用があると記されている。古くから薬膳料理に使われていた。
 「不老長寿」の米として中国歴代の皇帝に献上され、「貢珍米」とも呼ばれた。おはぎの起源といえば、親しみがわくだろう。
 ブラジル国内に出回っている黒米は、イタリアからの輸入米(品種名=nero venere)だ。州農業供給局の農学研究所(IAC)が九〇年代前半から、種子の増加や改良などに力を注いできた。
 「サンパウロ州で始めての植え付け。ブラジルで栽培している人もいない」。サイトに目を通すと、同研究所の熱い息遣いが伝わってくる。欧州や米国の市場にも参入していく計画だ。
 IACによれば、プロテインの含有量が九・七一%。玄米(七・〇四%)、白米(六・〇二%)より多い。老化を防ぐと言われるフェノール値も八百二十五(MM trolox/g)で、玄米(79)、白米(0)を大きく引き離す。
 サイトを調べてみると、たんぱく質・ビタミンB1・B2・ナイアシン・ビタミンE・鉄・カルシウム・マグネシウムなども豊富。中性脂肪を減らすナイアシンが含まれ、お肌に良いそうだ。「黒色色素」のアントシンは血管を保護し、造血作用があるという。
 胃腸を丈夫にし、慢性病、虚弱体質の改善など滋養強壮に効果的。黒米を食べ続けると髪の毛が黒く若返るという、民間の言い伝えもある。
 一般には、料理の仕方が気になるところ。フォーリャ紙は数人のシェフに黒米のレシピを取材している。レストランでは前菜やサラダの食材にも利用されているようだ。
 バーデン・バーデン(カンポス)のラウレント・シュアウデアウ氏(48)は四月末まで、ビールと黒米を混ぜたソースを使った、エビ肉を前菜としてメニューに入れた。「地方の食材を洗練させていかなければならない」と米の里をアピールしている。
 昨年末に収穫された黒米はカンポスなどに出荷され、サンパウロでは市営市場のチオ・アリ(rua H box25)で購入可能だ。
 カンポスで一キロが三十レアル~四十レアル、サンパウロで三十六レアル。輸入品が五十レアルに達するのに比べて割安だが、白米が二レアル~二十レアルといったところなので、店頭価格に目を丸くするかもしれない。

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