チェックアップの重要性と指針＝援協総合診療所内科医＝南利実＝連載（１０）

健康広場

2006年5月3日（水）

　第三段階はプログレッショと呼ばれ、一度私らの有機体宿主に慣れたがん細胞は増殖を始めます。このような言い方をすると、破裂するように急速に増大する印象を与えるでしょう。
　一般に発生したばかりのがんは、体積を倍加するには一年半から二年かかるといわれています。
　すなわち、一ミリほどに固まった数百のがん細胞が二ミリになるのに一年半から二年。二ミリから四ミリの大きさになるには、また同じ時間を要します。
　がんが一センチほどに増大するには五～六年かかります。がんの増加速度は（１）有機体の免疫力（２）腫瘍の毒力（３）生活スタイル（４）食習慣などによる。喫煙者は二・三カ月で二倍に増大。チェックアップの時などに考慮しなければなりません。
　この段階でがん細胞は千～百万の細胞のグループを仕組み、一個の結節か一個の小胞を形成。もし皮下、胃、大腸の粘膜下層に位置したら、隆起性の形で出現します。
　皮膚の検査を実施したら、ひとつの傷害やいぼ状の突起が目にとまるはず。胃内視鏡か大腸内視検査をすると、この盛り上がった傷をみることが可能です。
　なぜ早期なのか？　この段階のがんは症状も徴候も現さないため。大腸の隆起性疾傷（ポリープ）などは大便の摩擦によって出血することがあります。このような出血は便検査、便潜血検査でないと、肉眼ではみられない。
　腫瘍が一センチほどに近づいたら、脈管形成と呼ばれる重要な特異現象が現れる。がん細胞は強欲で賢いので近隣の正常細胞の栄養を奪いとります。しかし、既にこのがん細胞の集団が少し大きくなり、ほぼ百万の小結節に達したら、主に中央に位置するがん細胞は栄養摂取が困難になる。がん細胞は小結節の内部に自ら血管ネットを発生する能力を持っているのです。それが脈管形成なのです。
　この血管発生は、がんの増殖局部湿潤または転移と関連を保持。この治療薬が商業化され、米国では医薬市場に明るい見通しをもたらしている。この薬剤は脈管構成を妨害、困難にするのなら、がんの発育と同様にがんの存続に影響を与えると考えられます。
　腫瘍が約一センチのサイズに近づくと、がん導管が不合法的に有機体の一般血管と接合します。いつでも、転移する危険が発生。がんの最終段階侵入型連続直接湿潤性と遠隔転移性と見分けられています。
　この点がポイントの一つ。病症が治るか治らないかの分かれ道。腫瘍がほぼ一センチに達すると、有機一般の器官と配管接続とその結果以外症状と徴候が現れ始めるのです。