ホーム | 日系社会ニュース | 上原体制続投を承認=百周年協会=定期総会=本年度予算は60万レ=箱物2事業は独自に集金

上原体制続投を承認=百周年協会=定期総会=本年度予算は60万レ=箱物2事業は独自に集金

2006年5月3日(水)

 上原体制続投へ――。ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)は定期総会、臨時総会を先月二十九日午前九時半から、文協小講堂で開いた。投票権を持った五十四団体の代表者を含む約百人が参加、在サンパウロ総領事館から丸橋次郎首席領事が出席した。定期総会では上原幸啓現会長を理事長とするシャッパを承認。〇五年度会計、〇六年度予算案を審議した。また百周年事業に挙げられているサンタクルス病院が同病院の増築に関して独自の集金活動を行うことを承認したほか、新ロゴマークも発表された。
 〇九年度定期総会までを任期とする理事会役員、正、補充監査役に関し、十九日の提出期限までに登録されたのは、「百周年への連合シャッパ」(Uniao Pro Centenario)のみ。
 このシャッパに名を連ねていた四十副理事長団体のうち、日本語センター(谷広海理事長)が、伯日比較法学会(渡部和夫理事長)に変更されたことが報告された。
 選挙管理委員会の原田清委員長は「代表者から異議があり、シャッパ提出締め切り後の二十五日に変更を行った。単一シャッパであるため法的な問題はない」と説明。上原理事長が会場に賛意を求め、拍手で承認された。
 「全伯百四十万の日系人、ブラジル人、日本人のために百周年を成功させましょう」と上原理事長は、二年後の百周年に向けた新執行部のスタートを宣言した。
 理事会からの提案として、サンタクルス病院増築計画にかかる費用、一千二百五十万ドルの集金活動を同病院が独自で行うことが議題に上がった。ノロエステ連合が掲げているアラサツーバ文化センターも同様の動きを見せており、それぞれが承認された。
 アルモニア学園増築計画を百周年事業に推進するアルモニア学生寮の活動も活発になっていることを挙げたうえで、渡部和夫顧問は「日伯総合センターの検討委員会を立ち上げるべきでは」と提案、協会内で話し合いが進められる形となった。
 これら四プロジェクトの建設費総額は、六千九百五十万ドル(約七十億円)。
 これに対し、「複数のプロジェクトでは実現が難しい。一つにまとめるべき」「文協ビルの維持だけでも大変なのに非現実的」とプロジェクトそのものの是非を問う意見も聞かれた。

   新規プロジェクト
   百二十四件を承認

 昨年末までに提案された第三回プロジェクト募集分、百二十四件の承認も行われた。「海上自衛隊の音楽隊招聘」「警察音楽隊招聘」「日本民族舞踊祭」「都道府県ポスター展」の四プロジェクトのみに関し、協会が運営金を負担することが確認された。
 〇五年度の会計報告で、収入三十七万二千六百五十一レアルに対し、支出が二十九万八千六百六十五レ、残金が七万三千九百八十六レ。財務に関しては、十三万二千三百十一レの資産があることが報告された。
 〇六年度予算案では、会費収入十二万レ、協賛金二十万レ、スダメリス百周年CAP配当金十万レ、その他十八万レ、合計六十万レを見込んだ収入が発表され、それぞれ承認された。
 「百周年に向けた準備金などがこれから必要なのではないか」との会場の声に、執行部側は「当面の課題は財政の問題。広く意見を求めたい」と答えた。
 続いて催された臨時総会では、定款の第一、三条の改正が討議された。従来は昨年七月三十一日以降に登録した会員は投票権を有さず、同年同日以前登録の個人会員は投票権があったが、「期限を問わず法人会員には投票権を与え、個人会員のそれは認めない」とするもの。

   新ロゴマークを発表
   DPZ社の提案で

 総会で配布された百周年広報紙や横断幕にもすでに印刷された新しいロゴマークについて、百周年事業の広報を行う広告代理店DPZの太田レオ担当が説明に立った。
 「新しいロゴマークは縦横に掲示することが出来、東、西洋を表現。ブラジルカラーを施した長方形のデザインは折り紙をイメージしたもの」と変更への理解を求めた。
 「二回も公募して決定したものを今さら変更するのはおかしい」「元のままで問題ない」とする意見もあり、反対票が三票投じられたが、承認された。
 ロゴマークは新聞紙上などを通じて二度公募。約三百の応募作品のなかから、一昨年三月に決定され、ブラジル、日本両国のメディアに大きく広報した経緯がある。
 ニッケイ紙の取材に対し、太田氏は「専門的な見地から、テレビなどで大きくインパクトを与えるため最初のロゴを基本に変更することをDPZから提案された。総会で諮ることを前提にし、今までのロゴマークを冠した印刷物や記念品などを無効にするというわけではない」と答えた。
 閉会のあいさつで丸橋首席領事は、日伯両国政府内の委員会設置を報告し、「新執行部も発足し、今年は加速の年になる。コロニアをまとめる唯一の機会である百周年に力を合わせて向かってほしい」と締めくくった。