2006年4月29日(土)
日本政府は二十九日、平成十八(二〇〇六)年の春の叙勲受章者を発表した。サンパウロ総領事館管内では野村次郎・モジ文協元会長(82)と中西忠勇・県連元会長(95)が邦人叙勲を、田中エミリア・ブラジル生け花協会会長(77)が外国人叙勲をそれぞれ受章した。
野村さんは群馬県出身。現在はモジ・ダス・クルーゼス市在住。長年モジ文化協会会長を務めたほか、サンパウロ日伯援護協会理事会幹部として傘下の社会施設拡充に取り組んだ。またブラジル群馬県人会長として県人移住者の取りまとめにも貢献したとして、旭日双光章を受章した。
中西さんは石川県出身。コチア産組が創設したジュキア線の日系バナナ集団地で日本人会長を歴任。地域農業の振興に貢献したほか、一九六七年三月に同地で発生した山津波で移住地が被害を受けた時には、四年間にわたり責任者として復旧に尽力した。
八四年からブラジル石川県人会長をつとめ、九二年から九三年にはブラジル日本都道府県人会連合会会長を歴任。在外選挙権獲得運動を海外において先駆けて起こし貢献したとして、旭日単光章を受章した。
外国人叙勲を受けた田中さんは、サンパウロ市出身。ブラジル生け花協会会長として展示会、講座などを開催する一方、協会の四十周年史発行や他団体の文化事業にも協力してきた。
一九八四年には華道家元池坊四十五世専永宗匠の認可を得て、池坊ラテンアメリカ橘支部を設立。長年ブラジルにおける生け花の普及に貢献したとして旭日双光章を受章した。
今年の春の叙勲では、邦人、外国人叙勲とも受章該当者はサンパウロ総領事館管内のみだった。
受章者への勲章、勲記伝達式の日程は後日、総領事館から発表される。