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土地所有権付与を簡素化へ=違法居住の80万家族に恩恵

2006年4月28日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】五カ月後に総選挙を控え、大統領府は、公有地などに不法侵入して居住している住民に土地の所有権を付与する手続きを簡素化する措置の準備を進めている。ルーラ大統領の選挙公約の一つだった所有権付与の簡素化で、大都市周辺のファベーラの住民を中心に約八十万家族が恩恵を受けるとみられる。
 自治省によると、政府は土地所有合法化の煩雑な手続きの簡素化や、諸手数料の免除を盛り込んだ暫定令を数日以内に発令する予定。現行の手続きは、裁判所で問題が確認された場合、終了まで数カ月から数年かかるという。
 暫定令は連邦政府の所有する不動産の規定や運営について定めた、一九九八年施行の法律第九六三六号を改正することになる。不法侵入された土地全体の四〇%は社会保障院や連邦鉄道網など政府の所有地で、私有地の所有権付与は地形調査や所有者の登記書類が必要かつ手続きがさらに複雑なため、政府は主に公有地の所有合法化を進めたい考えだ。
 合法化の対象となる家族は、月収が最低賃金の五倍(一七五〇レアル)未満で、上水道や電気設備のある土地が対象となる。
 現在、一〇三万一〇六九家族がファベーラなどに違法に居住しており、現政権発足以後、二一万三五四二家族のみが合法化手続きを終了している。今回の暫定令は、二十三日以降、不法侵入活動を強化するとした家屋占拠運動の決定に連動したかたちとなっている。