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初等教育留年率は21%=アフリカ諸国と肩を並べる

2006年4月27日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】ユネスコ(国連教育科学文化機関)が二十五日に発表したデータで、ブラジルの初等教育機関における留年率(一年から四年生)が二一%と、世界のワーストランクで一六位に入ったことが判明した。
 ユネスコは二〇〇二年の調査結果に基づき、留年率が一〇%を超える四十五カ国をリストアップ。ワーストランク上位にアフリカ諸国が多く入る中、ブラジルはモザンビークやエトルリアと肩を並べ、ハイチやグアテマラをも上回った。南米ではウルグアイが八%、アルゼンチンが六%、チリは二%だった。
 同データによると、留年は教育と学習のための条件が不十分であることを物語っているという。ブラジルユネスコのクーニャ補佐官は留年率が高い理由の一つとして、教師が社会経済的にハンディを背負っている学生への教育に対応できていない点を指摘。ブラジルでは過去数十年間に、学生の自信喪失につながり教育制度に悪影響を及ぼす留年が減少したとはいうものの、さらなる取り組みが必要だと述べた。「実際には大半の教育現場で、学習しないのは学生のせいと言われても、教育自体に問題があると問われることはない」とパーロ・サンパウロ大学教育学部教授は話している。
 高い留年率に対し教育省は、教育の質向上を目標とするプログラムを策定・実施していくとしており、今年初めに承認された初等教育の八年から九年への延長に加え、新たな基礎教育基金(Fundeb)を創設し幼児教育にも力を入れていく方針を示している。