2006年4月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】国際貿易では短期計画と長期計画の区別が難しいと、国際経済研究所(ICONE)のサワヤ・ジャンク教授がいう。為替率は直ちに国際競争力に響くため、短期計画の典型的要因といえる。
産業界は高金利政策が通貨高騰を招くと抗議する。現在のブラジル貿易は、悲しい終幕の映画を見ているようだという。多くの経済学者は通貨高騰の原因を偏った市場開放とそれに拍車を掛けた輸出のためだとしている。
経済成長が顕著な国の特徴は、長時間を掛けて徐々にインフレを抑制し、それに合わせて市場開放を行った。通貨は一般に高めだが、資本コストは低い。その結果として外資を呼び込み、輸出入で効果が現れ、生産性も上げ、国内生産は確実に成長した。
国際市場は中長期の取引を望む。ブラジルも中長期取引に調整するなら、海外雄飛のチャンスは開かれている。均衡の取れた貿易収支と緩やかな成長は、市場を開放しながら自動的に国内産業を育てる。
特に注意することは、次のことだ。一、消費者にとって安くてよい品質の商品を作ること。二、資本財と中間財は、安価で産業の近代化に役だつこと。三、外国が補助金制度を設け過保護する分野は、将来有望である。四、三悪法の税法と労働法、社会保障法の改正が急務であること。
どこの国も得意分野は開放し、不得手な分野は閉鎖的である。世界貿易機関(WTO)は、これから交換取引が主流になるという。ブラジルは一九九〇年まで、輸入代替政策を採った。九〇年代末は輸出部門が外国の補助金制度に悩まされ、WTOへ駆け込んだ。WTOは、国際貿易において格好の砦であることを業者は発見した。
アモリン外相は三月末、コパカバーナ・ホテルでレミーWTO専務理事やポーツマン米代表、メンデルソンEU代表と会談をした。外相は席上、ドーハ・ラウンドの座長を引き受けると提案した。出席者は、ラウンド成功が実質的に欧米の農産物市場開放とG20の工業製品の関税削減にあることを認めた。
ネックの中心議題で双方は歩み寄りを見せない。農産物は五十年にわたって、多国間貿易の枠外に置かれた。農産物と工業製品の間には、越えがたい利害の差が歴然とある。
ブラジル政府と企業は、打開策として農業国を招く。農業補助金制度はどこまで譲歩するか。工業製品はどこまで開放できるかを協議する。農業と工業は両極で対峙しているが、先駆者の犠牲を二番手が償うべきだ。農業は産業の土台であり、工業は農業に資材を供給する二番手。
WTOとブラジルは、先進国とG20の間で仲介的役割を演じている。どちらに肩入れをするわけではないが、途上国に融通性を配慮している。そこで工業国と農業国の間で、譲歩度を計測しながら行う平行取引制度案が生まれた。
同制度は、FIESP(サンパウロ州工業連盟)で考案された。第一歩は利益本意主義で始め、第二は範囲を広げ、それぞれ取引の原価と利益を公表する。レミー氏とFIESPのスカッフ氏が十三日、詳細を話し合った。