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国際分業に参加できるか?=物流で遅れを取ったブラジル

2006年4月19日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】グローバリゼーションと技術革新は製品とサービスの質を激変させたと、リオ連邦大経済学部のバラチ教授が発表した。生産分野の単品製造と部品組み立て、最終組み立てが、世界レベルで分業化した。反対にインテグレーションによる委託製造や委託サービスも進行した。新しい生産システムには当然、部品発送のロジスティックやコンテナの配送など多目的搬送の問題が発生するとみている。
 反面、生産プロセス能率化のために製造業の一極集中化も目立っている。そのため伝統的な地場産業が消滅しつつある。ブラジルのような原料供給国や中国のような加工請負国と世界的な色分けが進んで、グローバル市場が形成される。
 コスト削減につながる粒状運送やコンテナ輸送がドア・ツー・ドアで行われ、地域間輸送は衰微の道を歩んでいる。インフラ整備の概念は一変した。原料生産地と搬出港を結ぶ輸出回廊、港と加工工場、さらに消費市場向けの積み出し港と国際ネットワークを形成している。
 空輸も秒単位で勝負をする高額商品や時間を争うビジネスマンの移動は、ロジスティックの一つ。航空業界のコスト削減競争は、熾烈を極める。ビジネスに平行して、息抜きと休養の観光需要も急増する。航空産業はこれから、造るのも飛ぶのも国が力を入れるべき国策産業といえそうだ。
 グローバリゼーションでは、特別な国家の保護や最先端技術は不要である。ロジスティックと陸海空の輸送技術で国際分業の中へ参入できるかが勝敗を決める。特に空輸と海上輸送は重要と思われる。
 ブラジルは積極的な外交政策を展開したのにもかかわらず、ロジスティックと運輸部門では遅れをとり国際分業の中に入れなかった。航空会社と海運会社で七つの海を走るブラジル企業はない。ブラジルは原料輸出国であることに萎縮しないで、グローバル市場で覇を競うべきだ。