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応急手当の仕方~とっさの時に戸惑わない~=連載(5)=脳貧血=運動中の事故に注意を

健康広場

2006年4月19日(水)

 生活習慣病に適度な運動がよいということで、日系団体では高齢者向けの体操やレクリエーションが取り入れられている。一方で転倒によるけがといった、運動中の事故が発生。関係者の頭を悩ましている。
 気温の高い所で長時間立っていたり、急に多量の水分を失ったときにも起こるものの一つが脳貧血だ。応急手当をする前に、救急病院に担ぎ込んでしまったほうが早いと思っている人もいるかもしれない。
 「脳貧血で倒れた人も、たまに出ている。でも役員たちの間にきちんとした対応策があるかといえば……」。運動系の会に所属する、日系人夫妻はそう不安げに明かす。
 脳貧血の原因は脳に流れる血液の量が一時的減少し、血液中の酸素が少なくなるのこと。比較的血圧の低い人がなりやすい。多量の出血のほか、湯ぶねから急に立ち上がったり、精神的な動揺が激しい時に起こることもある。
 症状は(1)顔が蒼白になる(2)冷や汗をかく(3)皮膚が冷たくなる(4)脈が弱く、遅くなる(5)めまい(6)手足の感覚がなくなる(7)吐き気(8)寒気など。突然意識を失って、倒れることもある。
 脳貧血で倒れた時には、水平もしくは足の方を高くして寝かせる。気道を確保させる体位(ショックの体位)を維持。衣類など体をしめつけているものを緩める。
 症状が現れたら、すぐに仰向けに寝かせ、静かに大きく深呼吸。手足が冷たく寒気がするようなら、全身を毛布でくるみ、保温すること。
 完全に脳貧血を起こすと、意識を失って突然倒れるので、頭などを打って危険。転倒したときに、けがをしていないか調べなければならない。
 吐くこともあるので、吐きそうなら顔を横向きにして気道を確保。吐いたら、すぐにガーゼで口の中をきれいに拭い取る。
 通常五~六分もすれば症状はおさまります。回復に時間がかかる場合は医師の診察を受けることが必要だ。

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