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PT党公認めぐり熱い闘い=マルタ氏とメルカダンテ氏

2006年4月14日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】十月に行われる統一選挙でのサンパウロ州知事選に向けて労働者党(PT)の公認指名を受けるべく、マルタ元サンパウロ市長とメルカダンテ上議が水面下で熱い闘いを繰り広げている。党の指名は五月七日に行われるサンパウロ州党大会で十九万人の投票権を持つ党員の投票で決定される見込み。この投票が余すところ一カ月を切ったことで、両陣営では最後の追い込みに拍車をかけている。
 マルタ元市長は逸早く出馬を表明、二〇〇四年の市長選に破れて以来、公職についていないことから時間的に余裕があり積極的に選挙活動を続けてきた。また市長経験で支持者も多い。なかでも党大会で投票権を有する七万七千人がサンパウロ市内の党員であることから、党内他候補より一歩リードしている感を見せた。
 しかしライバルのブラジル民主社会党(PSDB)のセーラ前市長が出馬を表明し、世論調査で人気が抜群だったことを受けて、党内では先の市長選挙での敗北の二の舞を懸念する声が強まった。ここで浮上してきたのがメルカダンテ上議で党内支持を二分する形となった。
 マルタ元市長がサンパウロ市を地盤にするなら、同上議は近郊および奥地の市で支持者が多い。現段階では執行部をはじめとするほとんどの党員が支持の色分けを表明していないことから不透明な部分が多い。同上議は上院の国対委員長の要職にあり、選挙活動は週末に限られるという不利な条件下にある、しかし陣営では最終コーナーに向けて全力疾走する意気込みを見せている。関係筋によると元下院議長のクーニャ支部長のオザスコ市が一万五〇〇〇票を有していることから、この動向が鍵だとみている。
 マルタ元市長は六十一歳、一九九五年から九八年まで下議を務め、九八年にサンパウロ州知事選で三七〇万票取得するも落選、二〇〇〇年の市長選では三二〇万票で当選した。メルカダンテ上議は一九九四年にルーラ大統領候補(落選)の副大統領候補として出馬、〇二年に一〇四〇万票で上議に当選した。