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サンパウロ州選手権=サントス、21年ぶりに優勝=僅差でサンパウロ振り切る=ル監督が見事にチーム再建

2006年4月11日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】国内プロサッカーの三大イベントの一つの各州選手権で、サントスチームがサンパウロ州選手権の覇者となった。
 サントスの優勝は十六度目だが、最後は一九八四年であり、実に二十一年振りとなった。チームの指揮官のルシェンブルグ監督は同選手権で六度目の優勝フラッグを手中にし、まさに〝優勝請負人〟の躍如たる面目を示した。
 優勝は九日に行われた最終戦にまでもつれ込んだ。それまでの勝点はサントスが四〇ポイント、サンパウロが三九ポイントの一点差で、サントスが負けるか引き分けてサンパウロが勝つと逆転優勝となるからだ。
 サントスにとっては背水の陣で、しかも同日に五分前に先行したサンパウロ対イトゥアーノ戦でサンパウロが一対ゼロで先制したことから、サポーターらの不安は募った。サントスの地元のヴィラ・ベルミロ・スタジアムで始まった対ポルトゲーザ戦はこうした背景のもと、異常な雰囲気でキックオフとなった。
 しかし前半二十三分、コーナーキックからMFのクレベル・サンタナがヘディングで先制ゴールを奪うと状況は一転した。さらに五分後、敵のレオナルドが自殺ゴールをして、二対ゼロとリードしてからは優勝ムードが広がった。一万七千人の地元サポーターの声援に後押しされてDF陣が反撃を断ち切り、結局そのままで逃げ切り優勝を決めた。サンパウロも二―〇で勝ったものの及ばず、昨年に続く二連覇は果せなかった。
 サントスの優勝までの道のりは平坦ではなかった。これまでのスター選手をヨーロッパに放出したため、ほとんどが無名の選手ばかりだった。スペインのスター軍団レアルを解任されてサントスの監督に就任したルシェンブルグ監督も緒戦から不振続きとなった。この時点でサポーターらは早くも見切りつけていたという。
 しかし同監督はジオバニ、ルイゾン、ピッツブルなどの往年のスターを放出、無名ながらも経験の豊富な選手を起用してチームを再建した。鳴り物入りで入団したMFのロドリゴ・タバタ選手も最終戦では出場の機会がなかった。逆に最終戦でゴールを決めるなど大活躍して一躍ヒーローとなったクレベル選手は、日本のJ1柏レイソルから同監督が呼び戻したものだった。
 地元サントスのサポーターらは市内の広場に集結して優勝を祝ったため、市内では通行止めが続出した。羽目をはずした群衆を警官隊が衝突する騒ぎとなった。
 選手権の三位以下はパルメイラス、ノロエステ、サンカエタノ、コリンチアンスで、グアラニ、ポルトゲーザ、ポルトゲーザ・サンチスタ、モジ・ミリンの四チームが二部落ちとなった。