2006年4月11日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ルーラ大統領が絶賛し、今年の大統領選でも再選を目指す同大統領の選挙キャンペーンで利用される見込みの国民薬局プログラムについて、隠れたコストが問題となっている。
問題は医薬品の単位毎に民間の薬局に支払われる補助金で、なかには公立医療機関へ配布する医薬品の入札価格の十八倍に達するものがある。例えば高血圧の治療薬CaptoPrilは、入札価格が一錠当たり〇・〇二レアルに対して、補助金は〇・三七レアル。購入者は〇・〇四レアルを支払う。糖尿病治療薬Glibenclamidaは入札価格〇・〇一レアル、補助金は〇・一六レアルと十六倍になっている。
元保健省次官のワグナー氏は、補助金支給の考えには反対しないが金額が高過ぎる、このままでは同プログラムの存続が困難になると述べ、法外な補助金に対する懸念を表明した。前サンパウロ市長のセーラ氏が保健大臣だった時にも補助金はいったん検討されたが、コストへの中期的インパクトを懸念し、廃止された経緯がある。
また、二〇〇四年六月になって初めて最初の国民薬局が、現在全国で一二九カ所しか開設されていないという推進の遅れや、公立医療機関では無料で配布すべき医薬品を有料で販売していることといった同プログラムの問題も専門家らは指摘している。