2006年4月6日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】連邦警察は四日、パロッシ前財務相を元管理人の口座違法開示への関与で立件した。連警による前財務相に対する事情聴取は四日午後、三時間にわたり財務相公邸で秘密裏に行われ、前財務相は口座開示関与の疑惑を全面的に否定した。前財務相は健康上の理由で出頭不可と連絡していた。前財務相は口座明細の入手は認めたが、開示は指示しておらず、マトーゾ氏の任意によるものとし、違法開示と情報漏洩についての声明発表はしなかった。前財務相の事情聴取は五日に予定されていたが、顧問弁護士が記者会見を呼びかけてマスコミを巻き、連警がその間に前倒しで行った。
前財務相は、口座違法開示の責任を連邦貯蓄銀行(CEF)のマトーゾ前総裁に転嫁しようとした。前財務相の関与立件は事情聴取直後、連警に決定された。顧問弁護士の指導により、違法開示の指示も口座明細の公表も行っていないと、前財務相は前総裁の供述を否定した。CEF幹部らは前財務相発言に反発し、開示命令は外部から来たとの声明を発表した。
顧問弁護士の話によれば、前財務相と前総裁は十六日夜、財務相公邸でCEF日本支店開設の件を話すとして二人だけで席を外した。その時口座明細を前財務相に渡し、コピーを金融審議会(Coaf)にも回すかを尋ねた。前財務相はCoafへ連絡し、既に入手済みと知った。
十六日夜、公邸にいた広報担当のマルセロ財務相補佐官とゴウドベルグ法相補佐官に、前財務相が席を外したのは両人に無関係の別件だと顧問弁護士は弁解した。二人はリベイロン・プレット疑惑を最高裁が審理中なので、打ち合わせを打診したといった。この辺は、前財務相の供述と矛盾する。
顧問弁護士は同件について、労働者党(PT)上議が「いけにえの子羊」を用意したから、辻褄合わせだけを行うと述べた。同件は財務相を救出するPTの依頼であり、同所での会話は絶対口外しないよう、弁護士が二人に求めた。
前財務相から元管理人の監視を依頼されたという大統領親衛隊のフェリックス将軍が、事情説明のため上院情報委員会のコラーレス委員長(民主労働党=PDT)に招かれた。同委員会は、前財務相による国家情報庁(Abin)の出動要請は事実であったかどうか、そしてAbinの対応の二件を確かめたいという。
上院では前財務相を巡って賛否両論が沸き起こった。自己の権限保持のため公的機関を用いたと、前財務相を精神異常者とする評価がある。前財務相は自己弁護のためにAbinのならず者を雇うはずはなく、同相を陥れる策謀という意見もある。全ては時間が事実を証明するとみている。
野党によるバストス法相の上院召喚要請は六日に表決される。口座の違法開示で、どう対応したか説明せよというのだ。もしも法相補佐官二人が口座の違法開示で責任を追求されるなら、法相は辞任の意向を示唆した。二人が開示に関与したのなら、更迭よりも自分が辞めると表明。二人が前財務相公邸に呼ばれ、違法開示と情報漏洩を口止めされたのか、それとも知らなかったのかはミステリーである。