2006年3月29日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】十月の統一選挙に向けて、セーラサンパウロ市長はサンパウロ州知事選に出馬の意向を固めたとみられている。同市長はこれについて沈黙を守り胸中を明かしていないものの、関係筋は、選挙法で定められた立候補が公職を辞任する期限となっている三十一日の前日ギリギリに出馬表明をすると予想している。
同市長の知事選出馬は、現職のアウキミン知事が大統領選で党公認となったことから浮上したもので、所属するブラジル民主社会党(PSDB)は大統領とともに国内最大の州でのアベック当選に並々ならぬ意欲を見せて、同市長の出馬に強い圧力をかけてきた。
同市長は昨年一月に市長に就任したばかりで相次ぐ選挙に当初は乗り気ではなかったが、党の決定を順守するというモットーのもとで圧力に抗し切れなかった模様。さらに同党はミナス・ジェライス州でも現職のアエシオ・ネーヴェス知事を再出馬させることを決定、同知事もこれを承諾した。
同知事は上議選に食指を動かしていたが、サンパウロ州とミナス州の域は死守するという党の姿勢で、カルドーゾ前大統領やタッソ党総裁の説得が功を奏した。また八百五十三市の党所属市長のうち七百四十七市長が出馬を要請する署名を募り、連判状を提出したことも追い風となった。
いっぽうでセーラ市長の辞任で市長に昇格するジルベルト・カサビ副市長は元来が無口で「セーラ市長の市政を踏襲するのみ」と多くを語ろうとしない。しかし副市長の所属する自由前線党(PFL)は、国内最大都市の市長ポストがタナボタ式に転がり込んできたことで湧き立っている。
新市長は選挙出馬で辞任するのは別として、局長や要職人事に手をつけないと公言しているものの、PFLは登用人事を狙っている。三十一日付で辞職が確実なのはフェルデマン区管理局長をはじめとする五人で、さらに三人が噂されている。管理局長の後釜にはセー区長で日系にもなじみの深いアンドレア・マタラゾ氏が有力視されている。