二月の開設から二カ月を待たず、閉鎖した広島市デジタル博物館。本紙の電話取材に市担当者は、「寄贈者本人に確認を取りたい」。イタコでも呼ぶつもりだろうか。
市が収集活動をしてから、すでに二十余年。寄贈者の多くは鬼籍に入り、古里への思いから寄せられた四千以上の資料は市北部の倉庫に死蔵されていた。
記者はかつて、その資料を閲覧したいと申し込んだことがある。返答は「担当者随行が条件。ただし写真はNG」。
今回ようやく日の目を見たと思ったら、この有様。地元中国新聞も厳しく批判、市は是正の方向で動き始めた。
ミスを指摘する記者に、「でも、公開したから、間違いが分かった」と自己弁護。サンパウロやアマゾンの草葉の陰で移民たちは泣いている。
その場所さえ取り違えていた同博物館の復活はいつになるやら。(剛)
06/03/24