2006年3月23日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】ビンゴCPI(議会調査委員会)は二十一日、管理人フランセニウド氏の口座無断開示が連邦貯蓄銀行のマットーゾ総裁の指示で行われたことを示唆した。同CPIによると、管理人の口座明細コピーは総裁付き補佐の手によって外部へ持ち出されたとしか考えられないという。管理人が邸宅へパロッシ財務相が通ったことをCPIで証言した直後、無断開示は行われた。総裁はCPIから召喚状二通を受け取ったが、一切のコメントを拒否。ルーラ大統領は、無断開示の関与者処罰を認めたが、小さなことと一蹴した。
ビンゴCPIは、同行の職員二人に事情聴取を行い、マットーゾ総裁による無断開示への関与を確認した。暗証番号は専門係から聞き出して犯行に及び、口座明細コピーは直ちにパロッシ財務相へファックスで発信された。管理人の口座があった支店の女性支店長が上層部の命令でコピーを印刷した。しかし、コピーに事件の重大性が秘められていることを知らなかったという。
特捜班が既に事件解明に着手している。十五日以内に犯行責任者の発表がある模様だ。ビンゴCPIは無断開示を容認したのはマットーゾ総裁、明細のコピーを命じたのは総裁補佐とみている。銀行内では明細コピーの印刷は通常業務であり、取り立てて責任を追求するような問題ではないとみられている。
外部に出回っている管理人の明細コピーが同行のコピーと同一であることが証明されれば、総裁の無断開示関与は立件される。疑問は、もう一つある。雑誌エポカに掲載された明細コピーが持ち出された十六日夜、暗証番号の入手は不可能であった。暗証番号の秘密を知る第三者がいることになる。
同行には現金自動預け払い機(ATM)が十一万台あり、七万人の行員が出納処理で就労している。現金の引き出しがあった時点で、暗証番号を抜き取ることはできる。しかし、七万人の被疑者の中から暗証番号を盗み取った者の特定は困難とされる。
しかし、CPIは七万人の監視システムがあるはずだという。管理人の明細コピーが引き出された十六日夜の二〇時五八分二一秒、誰が当番であったか解明はできるとみている。
ルーラ大統領が、口座の無断開示責任者は処罰されるべきだが大統領職にある現在、低レベルの問題にはかかわらないと宣言した。無断開示は大統領府から出たものではなく、下部機関が先走ったものとしている。財務相も無断開示に無関係であると、北東部訪問中の大統領へ電話した。
ブラジル民主社会党(PMDB)から大統領選に立候補したアウキミンサンパウロ州知事が、閣僚の不正関与は起用した大統領の責任だと糾弾した。政府の体質は政府を構成する人物の体質によるとし、財務相の不正システム関与を批判した。国民が見た通り政府は盗人集団である。口座の無断開示は、国民に対する「何でもあり」の警告であると訴えた。これは重大事で、看過するなら次は自分が犠牲者になると警鐘を鳴らした。