2006年3月15日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】リベイロン・プレット共和国と呼ばれ、密会に使われていたとみられる豪邸が十三日、ブラジリア南ラーゴ区で発見された。同所は二〇〇四年に八カ月間賃借され、財務相が暗黒色のガラスをはめた銀色のプジョー車で夜間でも消灯してひんぱんに訪れ、関係者からボスと呼ばれていたと、同邸宅の管理人がビンゴCPI(議会調査委員会)で証言、財務相の証言を打ち消した。同所には札束が入ったトランクが再々持ち込まれ、不正資金の山分け場所に使用していたとみられる。パロッシ財務相は、同邸宅への出入りを全面的に否定した。
ビンゴCPIは、連邦警察のリベイロン・プレット署長と財務相の運転手に続いて同邸宅の管理人を召喚した。同邸宅は財務相の元側近名義で密会のために賃借し、財務相始め腹心や秘書、市長時代の側近らと落ち合っていた。管理人の証言によれば、パロッシ財務相の名前を呼ぶことは禁じられ、ボスと呼んでいたという。
財務相はプジョーを自ら運転し、いつも一人お忍びでやって来た。財務相到着の日は前以て側近が知らせ、管理人や使用人は全員ボスを面識しないように外出を命じられた。しかし、監視カメラで財務相本人であることは、モニターで確かめたと証言した。財務相は全てのライトを消灯させ、会合は真っ暗闇の中で秘密裏に行った。
管理人の家はガレージの後部にあり、モニターで邸宅の中を監視できるようになっていた。財務相は就任以来、同所をリベイロン・プレット時代の腹心の溜まり場とし、同市に構築された汚職システムでサンパウロ州検察局への対応を打ち合わせていた。
ビンゴCPIが財務相の身辺を洗ったところ、八件の疑惑が浮上した。一、CETERP電話局の株売買にまつわる不正。二、生活必需品バスケットの入札にまつわる不正。三、レオンレオン社との癒着。四、水増し請求による資金調達。五、一族の不正蓄財。六、リベイロン・プレット市の債務超過。七、労働者党(PT)の印刷物にまつわる不正。八、公共工事にまつわる疑惑など。
財務相の不正疑惑で捜査線上へ新たにボルジニ・リベイロン・プレット市元水道局長が加わった。同市のゴミ回収契約と市街清掃人の管理責任者である。財務相の市長在任時代とその後の汚職システムと政治資金の調達で、鍵を握る人物と検察局はみている。
財務相包囲網は、最後の追い込みとみられる。リベイロン・プレット共和国の三人組は、不正取引を企画したブラッチとオペレーションのロペス、連絡と段取りのドウラードであった。この三人が不正疑惑のキーパーソンとされる。
リベイロン・プレット市へは、パロッシ氏が市長に就任するとPTから次々と資金調達の専門家が派遣された。ポレット出納長とアデミウソン・シウヴァ秘書室長が要職に就くと、システムは一挙に大規模化した。秘書室長は、党の計画に従って市長の権限を活用した行動予定表を作成した。