2006年3月10日(金)
〃台日〃交流を広げましょう──。クルツーラ・デ・タイペイ(CULTURAL DE TAIPEI、サンパウロ市リベルダーデ区)の主任として一月から、劉俊男さん(40)が赴任している。同氏は祖父(故人)が日本語を話していた関係から、独学で日本語を習得。日系人にも多くの来館を呼びかけている。
「私、日本の歌が大好き」。劉さんは顔を綻ばせて言う。カラオケが趣味。「夏の日のハーモニー」、「長崎は今日も雨だった」などが得意だという。お気に入りの歌手は、チャゲ&飛鳥だそうだ。
かつて、祖父が高校卒業まで「日本教育」を受け、旧日本軍に在籍した。幼い頃に、年配者が日本語で会話しているのに興味をそそられて、中学三年生の時に日本語学習をスタートした。
「祖父たちが日本語でやりとりしているのをみて、面白いなあと思った。両親は日本語を話しませんからねえ。テレビや書籍を使って一人で勉強しました」。
大学では韓国語を専攻。僑務委員になり、一九九八年~二〇〇一年まで同国に住む華僑のために奔走した。
「韓国人の中にも日本語を使う人がいて、買い物をする時やインフォメーションをもらう時に、日本語でコミュニケーションをしたこともあります」。
ブラジルへの赴任は初めて。台湾系移住者に、日本語を理解する人が少なからずいることはちょっとした驚きだ。「祖父母の世代の方と、会話を楽しむことができてうれしい。各民族系が力を合わせて、東洋人街を盛り上げることができれば」。
クルツーラ・デ・タイペイ(CULTURAL DE TAIPEI)は政府系の団体。文協ビルそばの巴西客家活動中心(CENTRO SOCIAL HAKKA DO BRASIL、サンパウロ市リベルダーデ区サンジョアキン街460番)内三階に事務所を構えている。図書室や民族衣装の展示室があるほか、台湾系コロニアによる文化講習会なども企画されている。