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コラム オーリャ!

 一九三八年、東京。「ガゼッタ・デ・ノティシア」の特派員が喫茶店で、一枚のレコードを目にした。アンドレー・フィーリョの「アロー・アロー」。声の主は、カルメン・ミランダとマリオ・ヘイスだった。
 ラベルには漢字で、「日本ヴィクター」。間違いなく、日本製だろう。この記者の驚きは、想像を絶したにちがいにない。日中戦争が勃発しており、国粋主義が幅をきかせていた時代だ。
 その後の取材で、三八年四月に日本でリリースされ、千五百枚が売り出されたと分かった。「日本で発売された、ブラジル人初のレコードだ」。
 記事は六月十八・十九日、二日連続で掲載された。笠戸丸から三十年というのも何かの縁か? 昨年のリオに続き、サンパウロ市でもカルメン・ミランダの展示会が始まった。日本とブラジルをつなぐ発見があればいいなあ。
       (古)


  06/03/09