2006年3月8日(水)
米政府は七日、二〇〇七年度国家予算で農業補助金を五%カットすると発表した。上院の農業委員会が直ちに、補助金の削除阻止に向けてキャンペーンを開始すると反応した。米政府の発表では農業者所得が〇五年度、八三二億ドルに達し過去最高という。補助金の五%カットは米国家経済にとって格別変化はなく、国際社会への公約履行に過ぎないと伯外務省はみている。大手コットン・カンシルが音頭を採り、上院の補助金継続キャンペーンを後押ししている。
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鳥インフルエンザがイタリアに上陸したため、ブロイラー消費国は鶏肉の在庫を増やしている。ロシアは従来の一カ月分から三カ月分に、中近東は二カ月分に、日本は百日分に増やした。合計すると世界で三〇万トンの鶏肉が在庫されているので、今後需要は下降すると業界は見ている。国連食糧農業機関(FAO)の予測によれば、〇六年の需要は〇五年の三%増であった。しかし、在庫を差し引き二・五%増に修正した。イタリアではブロイラーの消費が五〇%も激減したという。
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イタリア南部のシシリー島で十一日、発見された白鳥の死体からH5N1型鳥インフルエンザウイルスが検出された。周辺諸国のアルバニアやクロアシア、マセドニア、コソヴォが一斉にイタリア産ブロイラーの輸入を停止した。スロベニアやブルガリア、ギリシャも同地域からの鶏肉輸入を禁じた。H5N1型が検出されたのが渡り鳥であるため、飛来経路に、どんな対策が採られるのか注目を浴びている。渡り鳥から鶏舎で飼育しているブロイラーに、鳥インフルエンザが感染したという報告はまだない。
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干ばつで二年も凶作が続いたリオ・グランデ・ド・スル州に降雨があり、ホッとする間もなく今度は大豆が雨によるサビ病の繁殖に悩まされている。国立農事試験場(Embrapa)は一月から二月にかけて、七十カ所でサビ病の感染を確認した。サビ病は雨期に入ると繁殖が早い。サビ病は豆の木にさやがついたころ感染すると、収穫の致命的減収へつながる。同州では六千世帯が大豆栽培を行っている。