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メンドンサ氏の証言は偽証=郵便局CPI=米の銀行口座を開示=証言より多い大統領選広報費=迫る調査期限、どこまで追及か

2006年3月4日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】労働者党(PT)の元広報担当ドゥーダ・メンドンサ氏所有のデュッセルドルフ社に関する銀行明細を入手した郵便局CPI(議会調査委員会)は二日、二〇〇五年八月にCPIで行った同氏の証言は偽証であったと発表した。米司法省は二十四日、同氏の銀行口座をCPIに開示した。同資料によれば、同氏が海外の口座経由でPTから受け取った〇二年の大統領選広報費は、証言の一〇五〇万レアルよりも六〇万レアル多いことが判明。CPI上程者のセラリオ下議(ブラジル民主運動党=PMDB)は、同氏が大統領選以前からヴァレーリオ氏の指導で海外金融取引を行っており、実態は不透明であると述べた。
 米当局の協力で郵便局CPIは、メンドンサ氏の銀行口座開示に至った。資料を分析した結果、デュッセルドルフ社は想像以上に大規模な取引を行い、金額と取引時期はCPIでの証言と異なることが判明した。次回召喚の十五日には、誤差に関する追及が厳しくなると予想される。
 資料の審査はまだ初期の段階だが、今後は証言と資料内容の相違部分、関連口座、受取人や入金者、資金の出所、使用目的、同氏の資産などの詳細に追及の手が伸びる。資料入手により同氏の海外取引と背後関係が明るみに出てきそうだ。海外の金融取引ではツボの専門家ヴァレーリオ氏の指南があったとみられる。
 前回のCPI証言では、同氏はPTから領収証を発行せずに一五五〇万レアルを受け取り、そのうち一〇五〇万レアルは海外の口座へ振り込まれたと供述した。しかし、〇三年二月から〇四年十二月の入金を合計すると、六〇万レアルも証言より多かった。
 これまでに判明した同氏の海外口座は、ボストン銀行マイアミ支店が窓口であった。PTからの支払を受け取るため、バハマに設立した共営者不明のデュッセルドルフ社を経由していた。他に息女名義でバンク・オブ・アメリカのマイアミ支店に五口座を有し、一五〇〇万ドルを預金した。またオシアン銀行マイアミ支店に二二〇万ドルを預金した。シティバンクのニューヨーク支店にエレヴェン名義でも口座を持っている。
 これはPTが海外で行っている不正資金の違法取引で、いわば氷山の一角とCPIはみている。メンドンサ氏の顧問弁護士は、CPI証言は不意に行われ、前以って事実調査の時間がなかったと、議会偽証罪の弁護を行った。
 米司法省はCPI委員を始めDRCI(国家資産返還局)技官、下議代表などにメンドンサ氏の銀行口座開示を行った。一同は書類を持ち帰り、監視カメラ付き特別室へ保管した。口座は全部で十五あり、〇三年から〇四年までに一万五千回の金融取引が行われた。DRCI技官は十日、同資料の中間報告を行う。
 郵便局CPIは期限が三月二十一日、最終報告書の提出は四月十四日となっている。限定された時間にどこまで深く追及し、ブラジルの膿みを絞り出せるか、誰もが関心を持っている。CPI委員が兵隊ならば、敵の陣地に自国の国旗を立てることが使命である。