2006年3月4日(土)
パラヴェンス、ジャポネーザ!――。
サンパウロ市から北西二百三十五キロに位置するボツカツ市のカーニバルで、日語教師三人が日本語学校を宣伝しようと着物姿でパレードに参加し、地元紙から賞賛された。
ボツカツ市は、落ち着いた学園都市で風光明媚な十一万人の落ち着いた高原の町。二十五、七の両日、十五人から百人のサンバチーム十組が市内の目抜き通りなどを練り歩き、約三万人がサンバのリズムに酔いしれた。
市役所主催のチームは練習なしでも当日参加可能なTシャツを販売。飛び入り参加の気楽さか、二十二日には約百着が売り切れるという反響ぶりを見せた。
会場から多くの注目を集めたのは、比較的規模の大きいチーム「デメトリア」の先頭隊を務めた、日本人三人組。
加藤みえさん(JICA青年ボランティア、35)白石愛(だるま塾、26)河原由実さん(だるま塾、24)さんのテーマは「日本」。着物と扇子で注目を集めた。
三人はボツカツ日本文化協会で働く日本語教師。「日本文化や日本語に興味を持ってもらえれば」。日本語学校の宣伝が出場のきっかけだったという。
この様子は、二十八日付け地元新聞ジアリオ・ダ・セーラに写真付きで「サンバに参加しない日本人のイメージを覆した」と掲載され、〝新しい〟日本のアピールにも成功したようだ。
「着物を初めて見た」という七十代のブラジル人夫妻は、「とても良かった。アリガトウ!パラヴェンス、ジャポネーザ!」と三人に握手を求めていた。
生徒や学校関係者も応援に掛けつけた。
「『カーニバルは嫌い』と言っていた頑固なイメージの一世女性が来てくれ、笑顔で応援してくれた」。河原さんはそう感動を話し、汗をぬぐった。
来伯して八カ月の加藤さんは、「リオなどの観光化したカーニバルでなく、今いる地元で参加したかった」と声を弾ませ、声を掛けてきた多くの人との会話を楽しんでいた。