2006年3月3日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】郵便局CPI(議会調査委員会)とビンゴCPIは一日、最高裁による通話記録開示の許可棄却にもかかわらず、オカモト零細企業支援センター(Sebrae)総裁の通話明細を追跡し、裏金疑惑の主要関与者と百六十一回に渡って連絡があったことを明らかにした。同総裁はルーラ大統領と刎頚の交わりがあった仲で、労働者党(PT)の資金調達を努めた。大統領の個人債務二万九〇〇〇レアルを同総裁が自腹を切って決済したという説明に、CPIは納得できないとした。CPIは、ソアレス前財務担当やドゥーダ前広報担当、ジルセウ前官房長官、ペレイラ前事務局長の通話明細から同総裁関係の通話を拾い出した。
郵便局CPIとビンゴCPIの委員らは、オカモト総裁とひんぱんに接触があったPT要人の追跡調査を密かに行った。特捜ではベテランのビンゴCPI委員が捜査方法を指導した。大統領選当時と政権就任後、同総裁と度々連絡したのは、前財務担当と前広報担当であった。
同総裁はPT政権の成立後、魅惑の部署Sebrae総裁に就任し、交付金九億レアルを裁量できる立場にあった。事業家などから財務担当などよりも大統領の信任ある腹心として、同総裁は尊敬された。大統領の個人債務は二〇〇一年に夫妻の海外旅行費用二万九四三六レアルを党から借りたものだ。
CPIが同総裁に狙いを定めたのは二点、大統領の個人債務決済と同金額が党会計から出金されているのに自腹決済だと主張していることだ。大統領の債務は〇三年十二月から〇四年三月までに伯銀で四回にわたり決済された。
CPIは、同総裁が党会計から現金を受け取りながら自腹を切ったとしたか裏金で決済したとみている。またCPIの野党委員は、大統領の債務を決済したのはヴァレーリオ氏で、同総裁は単なる名義貸与人だと推定している。
この資金の出所疑惑はサンジョゼ・ドス・カンポス市のグアダニンPT市長時代、当時の出納長ヴェンセスラウ氏の証言に基づいた。前出納長は、PT市長が在任する市の下請け企業から同総裁が政治献金を集金し、裏帳簿で管理していたと証言した。
一方、下院人権委員会は電話の不法盗聴や密偵が最近、首都で激増していることで連邦警察へ取り締まりを要請した。発覚しただけでも、検察庁検事らの電話が筒抜けであることが判明。特に入札手続を経ない落札契約を捜査する検事の電話には、多数の盗聴装置が仕掛けられていた。
首都議会の評議員が二月、盗聴疑惑で更迭された。また公社総裁は辞任を余儀なくされた。盗聴されていた閣僚は、ケイロス・スポーツ相とガール・フレンドの元最高裁判事の人妻。エスピリト・サント州では盗聴により保安長官が更迭され、多くの州政府高官が告訴された。
首都では、盗聴記録を吹き込んだ告発CDの郵送がおびただしい。首都は今、中傷や密告合戦の泥試合が展開されている。