2006年3月2日(木)
違法出移民に関する連邦議会調査員会(デカセギCPI=マルセーロ・クリヴェラ委員長)の調査団一行が、先月二十七日に首都ブラジリアを出発し、一週間の予定で日本を視察に訪れている。昨年十二月二日にサンパウロ市のニッケイパラセ・ホテルで行われた同公聴会でも議論された日本のデカセギ問題の現状に関して、さらに認識を深めようというもの。
国営通信によれば、日本のブラジル大使館から事情と聞くほか、外務省や文部科学省、警察庁などの日本政府関係者と会合、少年院の視察、角田義一参議(参議院副議長)ら政治家との意見交換、東京と名古屋のデカセギ・コミュニティの代表者らとも話し合いをすることになっている。
同委員会は昨年、ボストン(米国)、ロンドン(英国)へも視察に訪れている。一行にはクリヴェラ上議自ら参加するほか、報告者のジョン・マギノ下議、ネウシマル・フラガ下議、ヘレノ下議、日系人問題の担当として高山カズヒデ下議らが同行している。
二月二十四日付け連邦議会報によれば、マギノ下議は「米国、パラグアイ国境についで日本にはブラジル人が多く、多くの問題を抱えている。それをまじかに見ることが目的」と語っている。さらに日本からの送金は、ブラジルが得ているドルのうちでもかなりの部分を占めていると強調した。
今回の視察内容は同議会報告書の中に詳述され、外国で就労するブラジル人の状態を改善する総合的な対策の一部として、四月ごろまでに提出される見通し。