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選挙高裁、大統領にクギ=事前の選挙運動と野党も提訴

2006年2月25日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】「政治家は三百六十五日間選挙運動をする」と二十二日にルーラ大統領が発言した翌日、選挙高裁(TSE)のメーロ判事は、今年の選挙へ出馬する者は七月五日以降に初めて選挙運動を開始できると警告した。
 この警告はルーラ大統領に対する直接のメッセージとも受け取られる。「大統領の発言は修辞的な破目外しとみる。国の長であり範を垂れるべき大統領が自身の再選に触れたとは考えたくない。しかし再選の可能性がある現職の政治家は、その立場にない候補者より発言に注意深くあるべきだ」と同判事は述べ、昨年末に政府が選挙運動を行ったとして、TSEが大統領に罰金を科したことに触れた。
 また、野党のブラジル社会民主党(PSDB)は二十三日、選挙運動を事前に実施したとして、ルーラ大統領をTSEに提訴した。大統領を相手取った同党の訴訟は七度目。「大統領は公的な場と公費を利用し選挙運動を行っている」と同党上院リーダーのヴィルジーリオ上議は非難した。
 ブラジル全国司教会議(CNBB)のアグネロ議長も二十三日、選挙運動の道具として公的立場を利用しないようルーラ大統領に忠告した。政治家が公共工事の完工式に出席するのは普通だが、式出席者に自己宣伝しないよう注意を求めた。選挙法が専門の弁護士らも、今回の発言が法で定められた解禁日前の選挙運動で、公共工事を自己宣伝に利用したのは憲法違反だという見解を示している。