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大統領再選の可能性高まる=セーラ候補を抜く=昨年8月以来の低迷から挽回=中間層へ支持広げる

2006年2月23日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】調査機関のダッタフォーリャは二十一日、もしも大統領選が今日実施されたら、ルーラ大統領が決選投票で過半数を獲得する可能性があるという調査結果を発表した。対抗馬がセーラサンパウロ市長かアウキミンサンパウロ州知事のいずれであっても、大統領の優勢は変わりない見通しとなった。二〇〇五年八月以来、低迷したルーラ大統領の支持率は今回調査で逆転して四八%に上がり、トップへ躍り出た。二月初旬の調査では、大統領が低所得層と低学歴層の失地回復を敢行したことを確認。今回の調査では、最低賃金の十倍クラス、中学歴層でも支持率の回復が認められた。
 ルーラ大統領は〇五年十月以来、裏金スキャンダルによる挫折からの失地回復兆候が表れ、優勢になった。調査結果によれば、一次と二次ともトップに立っている。以前のルーラ人気は、北東部の月収一五〇〇レアル以下の低所得層によって辛うじて支えられていた。それが中間層にも、支持率を伸ばし始めた。
 ルーラ大統領とセーラサンパウロ市長が対決した場合、前回調査ではセーラ四九%に対しルーラ四一%で、大統領が後塵を拝した。それが今回はルーラ四八%に対しセーラ四三%へ逆転した。アウキミンサンパウロ州知事に至っては、ルーラ五三%に対しアウキミン三五%となっている。
 所得層別で見ると、五%の少数派である月収三〇〇〇レアル以上のクラスは、セーラ三五%に対しルーラ三一%で誤差を入れると同点と見てよい。三カ月前はセーラ四九%に対し、ルーラ一六%であった。
 大統領の個人的評価は、見るべきものがある。最良と良を合わせ五三%、〇五年十月の四〇%から見ると判然。人物評価を肯定的と否定的で見ると、肯定的評価の二〇%が三九%へ上り、男を挙げた。
 政府評価は〇五年十月にゼロであった。今回は一五%へ挽回。政府評価よりも大統領人気で、政権は持ちこたえているようだ。大統領個人に期待が集まるのは、カリスマ性にあるらしい。見掛け倒しの政権であるが、経済成長も昨年比で見れば我慢できるしインフレも沈静、あとは雇用創出と所得増に努力して欲しいという要望だ。
 大統領へ再出馬を要望する声は、二月に入って北東部や中央西部、全国の低所得層で強い。南東部では一進一退で、ルーラ人気は今一つである。南東部で大統領は、アウキミン知事とほぼ互角。セーラ市長とは、四八%対四二%でセーラ優勢である。
 一方、党公認候補の人選難航で冴えないブラジル社会民主党(PSDB)執行部は二十一日、アウキミンサンパウロ州知事に灸をすえた。仮にサンパウロ市長へ党公認の白羽の矢が立っても、事前運動に奔走して埃をたてるなという。両人とも果し合いを前に、刀を預けろという達しだ。
 しかし、サンパウロ州知事陣営はアウキミン師団に非常召集をかけており、続々地方の豪族がサンパウロ市へ集結している。知事は連日、パーティを催し、労をねぎらっている。知事辞任後の根回しも用意万端である。三巨頭が十六日、サンパウロ市長と会食したのは「闇討ち」だとサンパウロ州知事は訴えた。