2006年2月23日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】リオデジャネイロ市で二十一日、連警が児童ポルノ取締法違反の疑いで家宅捜索を行っている間に、容疑者の十七歳の少年がマンション六階の自室から身を投じて自殺するという事件が発生した。
捜査官らは家宅捜索令状はあったものの、容疑者の逮捕令状はなかったことから、連警当局は自殺が発作的なものか、あるいは捜査に行き過ぎがなかったかを、家族からも事情聴取をした上で追及していくことを明らかにした。
連警捜査官一行四人はリオ市北部マラカナン区にある容疑者の住むマンションを急襲し、家宅捜索を始めた。連警の捜査報告書によると、マンションには少年の両親と大学生の姉が在宅していて、居間で捜査を見守っていた。直後に少年は自室に引きこもった。捜査官は証拠隠滅のおそれがあるとして母親に少年を連れ戻すよう命じた。母親が迎えに行ったところ、すでに身を投じた後だった。救急車が呼ばれたが、少年は絶命していた。捜査官が押収した少年のインターネット、ビデオテープ、CDなどから多数の児童ポルノ物件が発見されたという。
連警では全国十一州で児童ポルノの摘発を一斉に行った。リオ市の今回の一件もその一端だった。これは国際的児童ポルノのルートを捜査しているスペイン当局が外交ルートやインターポールを通じて捜査依頼をしてきたもので、連警では昨年から内偵を続けてきた。取締はアザハル作戦と名付けられ世界二五カ国に及び、米国およびラテンアメリカ内のみで容疑者は百三十人に上っている。アザハルはアラビア語でオレンジの花で、イスラム経典では処女の純潔の象徴となっている。