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商議所昼食会=フルラン大臣「日伯交流年は重要」=将来を見すえた関係を=エタノール解禁求める

2006年2月23日(木)

 二十日昼、サンパウロ市内ホテルで行われたブラジル日本商工会議所の定例昼食会で、ルイス・フェルナンド・フルラン開発商工大臣は「両国の過去をふりかえるのでなく、もっと将来を見すえなくては」と講演し、日本からの直接投資の増加、エタノール輸入促進を提言した。日米欧がしのぎを削るデジタルテレビ方式の選択に関しては「どこを支持するとは公表しない」と慎重な態度を見せ、〇八年の日伯交流年は「先に行われた日伯修好百周年と同様に非常に重要」と位置付けた。
 フルラン大臣歓迎の挨拶にたった堀村隆彦大使は、両国間の最重要課題として、日伯関係の再活性化を大きな柱とする認識を示した。対国連交渉の場で両国はすでに、インドやドイツなどと密接な連携プレーを演じており、「多国間の場でこれほど密接な関係はこれまでなかった」と両国関係の現状を評価した。
 さらに二年半後に迫った移住百周年記念行事に関しても、一昨年に国レベルで日伯交流年とすることが決められた経緯をふりかえった。従来は百周年に一歩置きがちだった会議所の態度に関して、「準備を本格化させるべき時期。会議所との連携プレーをお願いしたい」と、政府と足並みをそろえるよう要望した。
 最後に「好調な両国関係を、どう安定軌道にのせていくか。経済関係再活性化の枠組みを決めることが今後の課題となっている」との認識を示した。
 フルラン大臣は冒頭、きたる日伯交流年が日伯修好百周年(九五年)同様に重要なものであること指摘しつつ、九〇年代の両国間の貿易額が減少傾向にあったことや、国別の直接投資額が低迷したことをあげ、「両国は難しい時期をお互いに越えてきた」と分析した。その上で、二十一世紀への可能性を語り、「もっと将来を見据えた関係を」と強調した。
 将来を占う生産物としてエタノールをあげ、昨年暮れにペトロブラスと日本アルコール販売が合弁会社を作ったことを高く評価した。ブラジル政府によるデジタルテレビ方式の選択に関しては慎重な言い回しに終始し、支持の明言を避けた。
 さらに「ブラジルの市場は大きく拡大している」と強調し、多岐に渡る分野での日本からのさらなる投資を呼びかけた。
 「昨年は四百五十億ドルという空前の輸出額を計上。一ドル二レアルに迫る勢いのレアル高の今年、三百五十億ドルを予想しているが、実現は可能か」との質問に対し、「昨年は大方の予想をくつがえす好調な結果を残せた。ブラジルの輸出先は多様化し、為替レート変動に強い体質に変わっている。むしろ目標を越えた結果が残せると楽観している」と答えた。
 また、「サトウキビの葉境期にもエタノールの安定供給は可能なのか。その輸送システム向上のための政府の対応は?」との質問に大臣は、「アマゾン熱帯雨林に触ることなく、この十年で生産量を二倍にできる。サトウキビ以外の原料からエタノールを生産する方法も研究しており、十分に需要に答えられるようになる」と太鼓判を押した。
 当日は、大臣とともファン・キロースAPEX総裁、ジョゼー・マウロ特別補佐官、イエダ・パッソス広報担当補佐官も出席した。