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ウ米が頭越し交渉=対亞譲歩、裏目に出たメルコスル

2006年2月8日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】メルコスルは、単なる通商協定ではないとブラジル外務省がいう。しかし、現実には単なる通商協定であり、これからも長期に通商協定であり続けると思われる。
 ウルグアイ外務省は、独自に対米交渉の窓口を設けることを、メルコスルの兄貴伯亞両国へ連絡してきた。これはメルコスルに大きな重大な変化が、起きる予兆ではないか。だがブラジル外務省は、まだそれに気付いてないようだ。
 アモリン外相とタイアナ亞外相は、キルチネル亞大統領の訪伯日程の打ち合わせに専念し、メルコスルのことしか頭にない。例えば一月一日から、自動車と部品を完全自由化することである。しかし、亞国は伯産自動車の輸入規制で延長を求めた。自動車の延長は、これで二度目である。
 規制期限延長の他に亞政府は、数量規制に品質規制の二重規制を設けた。他に域内セーフガード(緊急輸入制限)の延長を、亞国が求めた。世界貿易機関(WTO)規定ではセーフガードは認められているが、メルコスルの結束を乱すのは確かである。
 ブラジル政府がメルコスル強化のため亞国へ譲歩したのは、失敗ではないか。パラグアイとウルグアイは、伯亞二か国で勝手に協定を変更することに抗議した。その表れが、ウルグアイの対米交渉である。
 頼りの伯亞両国が、頼りないとなったら誰に頼るかと、ウルグアイのレプラ産業相が声明を発表した。同国は〇四年、五億七千七百万ドルを対米輸出した。対伯輸出は、四億八千四百万ドルで二番目である。
 ウルグアイは対米輸出で三億五千六百万ドルの貿易黒字を得ている。対伯貿易では一億九千三百万ドルの貿易赤字である。アモリン外相は公社が、ウルグアイやパラグアイからもっと輸入するように命令した。しかし、両国はそんな協力支援ではなく、対等に扱って欲しいというのだ。
 亞国に対しても、対等に扱うべきではなかったのか。なまじ情けを掛けたのが裏目に出て、ジレンマにはまったのではないか。メルコスル外交ではウルグアイの考え方が正解で、ブラジルの考え方は間違いではないかという見方だ。