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定款改正委の設置を=県連執行部案に異論続出

2006年2月7日(火)

 県連の臨時代表者会議が三日午後四時から宮城県人会館で開かれた。県連創立四十周年記念事業、日本移民百周年事業、今年度フェスティバルの計画、定款改正案等の懸案事項について執行部が案を提示したが、出席者の同意は得られず、継続審議となった。今後それぞれの案件について、個別の委員会、会合で検討していくことになりそうだ。
 今回の臨時代表者会議は、先月末の定例会議が第八回フェスティバルの会計問題に終始したことを受けて開かれたもの。前回会議で審議されなかった案件について執行部案が提示された。
 主な議題は県連四十周年、日本移民百周年事業、今年の第九回フェスティバル・ド・ジャポンの計画および、会員資格や会長任期などに関する定款改正案など。
 今年創立四十周年を迎える県連。記念式典は七月十五日、今年のフェスティバル初日に開催される予定になっている。
 記念事業として提案されたのは、県連が主催する「移民のふるさと巡り」の記録を中心とした記念誌の発行、四十周年記念誌「ブラジル県連5号」の編纂など。「県連5号」については執行部からは発行部数、費用の一例が示されたが、出席者から編纂のための委員会設置を求める意見が上がり、継続審議となった。
 百周年事業について中沢宏一会長は、日本におけるブラジル展、チエテ川での日本庭園造成、イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑と日本館周辺の整備など、県連が現在関わっている事業を説明。「百周年に向けてそれぞれの事業をつなげ、盛り上げていきたい」と語った。
 これに対して吉加江ネルソン宮崎県人会名誉会長が発言。以前に県連から百周年協会に提案した十七の事業について説明がない点を指摘するなど、執行部の姿勢をただした。執行部は、後日百周年協会の関係者を招いた会合を開く意向を示した。
 第九回フェスティバルについては、食スタンドをはじめとする会場全体の設計図を提示。これに対して出席者からは食スタンドの公平な配置を求める意見があったほか、あらためて昨年のスタンド契約の詳細を求める声も。執行部は、後日県人会の代表と専門家を交えた会合を開く考えを示した。
 最後に審議された定款改正の執行部案は、県連の会員資格を在伯都道府県人会に限ること、県連顧問の投票権を削除すること、現在二期四年となっている会長任期について立候補と再選の権利を認めること――などを柱とした内容。中沢会長が改正点についてそれぞれ理由を説明、出席者の理解を求めた。
 これに対して出席者からは、定款改正を検討する中立な委員会の設置を求める声のほか、会長任期をある程度制限する必要性を指摘する意見もあった。執行部は近日中に改正のための会合をもつ考えを示し、話し合いは終了した。
 重要案件を審議したこの日の臨時代表者会議。いずれの議題でも執行部と出席者の意見がかみ合わず、結局先送りされる格好となった。出席者からは「代表者会議の討議項目を事前に県人会に知らせてほしい」と、執行部側の会議の進め方に疑問を呈する意見も聞かれた。