2006年2月3日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】サンパウロ市セーラ市長は一日、イベントなどでの交通規制税の市条例を今週から実行に移すことを発表した。
新税はイベントやショーなどで会場前や周辺の道路通行止めの依頼があった場合、警官動員や機器使用分の実費相当分の経費を主催者側から徴収するもの。市条例は昨年十月、市議会の決議を経て市長が裁可したもので、全国でも初めての試みとして注目されている。
対象はとくに営利を目的とした催しもので課税は規模や収支見積を査定された上で決定される。サッカーの試合でも交通規制の対象となる。
交通局によると昨年、市内で九〇〇〇回に及ぶイベントが開催され、その都度警官が動員され、規制の企画、モニターの設置などが無料で行われた。市当局では営利目的のイベントに市が無料奉仕するのは筋違いだとした上で、今回の実施は税収による市財政への貢献ではなく、あくまでも実費経費の軽減を狙ったものだと強調している。
また交通局によるとインテルラーゴ・サーキットでのF1レースでは一二〇〇人の警官が動員され、パカエンブー競技場で行われたパール・ジャンのショーは五〇〇人だったという。
また市内の五〇〇〇人による路上マラソンで八時間の通行止めに要した経費は三万六〇〇〇レアルで、パカエンブ競技場での一万五〇〇〇人の観客を集めたサッカーの試合では二万六〇〇〇レアル要したという。
これが積もり積もると莫大な経費になると強調している。
新税の対象第一号となるのが入場券発売で物議をかもしたバンドグループのU2で主催者側はこれにより市当局が万全な体制を取ってくれれば申し分ないと受け止めている。
当局はさらに遡って、昨年十二月にモルンビー区で結婚した世界の富豪オナシス嬢に対しても課税する意向を示している。
課税が免除となるのは宗教団体や政党および社会福祉団体、市民のデモなどで、課税対象者も事前に必要事項を提出して免除申請が可能となっている。