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コラム 樹海

 「日本人はデカセギを日本国内での『生活者』とは見ていない、『労働力』だと思っている」――マスコミ論調のなかに、こういう記述を見出して、ちょっと心強く感じた▼そうであってはならない、という理解が一般国民のなかに浸透したとき、デカセギたちの立場はもっと恵まれたものになる。国民の関心が高まれば、国会あるいは、その以前の国会議員選挙などでも議論は生じる。デカセギが真の「生活者」として定住できるような人的環境が形成されたらいい、と思う▼米国で過去五年間、移民総数が過去最多の七百九十万人記録された。このうち半数近くが不法移民とされる。貧困や教育水準の低さなどが指摘されており、社会問題化している。今年の中間選挙では、この移民問題が争点の一つになりそうだという▼日本の場合、労働力が不足しているから、入管法を改正して日系人を入れ易くしよう、と国全体の労働力を調整しながらデカセギを受け入れてきた。それらは在留資格が与えられた外国人であるけれども、日本人と同様「生活者」であるとの、見方はなかった▼デカセギたちのなかから凶悪犯罪者が多く出るようになると、このときは「『労働力』が罪を犯した」かのように指弾される。日本人の犯罪者とは違う次元で風当たりが強い▼日本の少子化の改善は道遠しであろうから、外国人労働者は将来も必要なことは明らかだ。そこで、就労しに来る人が「生活者」だという認識が早期に国民の間に浸透しないものか。(神)

06/02/03