2006年2月1日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】メルコスルの雲行きが、おかしくなってきた。フアン・P・ロレー在伯亞大使が、伯亞通商関係は「アロスとフェイジョン(ゴハンと味噌汁だけで素っ気がない)だ」と発言するなどギクシャクしている。ブラジルは相棒の亞国が立ち直るため数々の譲歩をしたに関らず、恩知らずな言葉だ。
三年間にわたる亞産業の落ち込み修復のため訪伯したキルチネル亜大統領は十八日、癒えかけた古傷を再度開くらしい。同時に米市場へ活路を見出し、メルコスル離れを試みるウルグアイの問題も話し合う。
亞大統領はメルコスル議長国として、闘牛士はどのようにプレイをするべきかを見せる。ウルグアイ問題についても、腕前をブラジルに見せるらしい。伯亞両国がシッカリしていれば、弱小加盟国のことなど自然に解決すると思っているようだ。
伯亞首脳会談に先立ち、実務者会議で骨格を築く段取りだ。両国の競合産業のあり方、セーフガード(緊急輸入制限)基準、自動車産業の位置付けなどを協議する。だが首脳会談では、メルコスルとしての統一見解に絞ると思われる。
新しくメルコスルに加盟したヴェネズエラの問題児チャーベス大統領は、ルーラ大統領と三十回も会っているが伯亞会談にもやって来る。伯亞ヴェでメルコスルの三本柱とし、世界にも冠たるエネルギー大国にするチャーベス構想だ。
メルコスルに業を煮やしたウルグアイは、しきりに米国へ色目を流している。ヴァスケス・ウルグアイ大統領は、メルコスルと米国を秤にかけるよう通産相に命じ損益計算をしている。経済使節団を米国へ派遣し、対ウルグアイ投資を本格的に呼びかけウ米共同市場の設立も具体的段取りを同大統領が命じた。
ウルグアイ政府はメルコスルに対し米国を含めた「4プラス1」協定または米国を一員として迎えることを加盟国に打診。しかし、ブラジルは無視した。ウルグアイの不満は、原因がブラジルにあると亞国はいう。メルコスルの協調性を乱したのは、ブラジルだというのだ。
ウルグアイの提案は、メルコスルに対する最後通牒でもあると亞国がいう。弱小加盟国がメルコスルで成長する見込みがなければ、外部に活路を見出すのは当然であると、亞国はウルグアイの言い分を認めた。