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(PSDB公認候補)セーラサンパウロ市長が有力視=有権者支持が決め手=サンパウロ州知事に倍差でリード=問われる政治理念が課題

2006年1月28日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】カルドーゾ前大統領は二十六日、有権者が望むならセーラサンパウロ市長はPSDB(民主社会党)公認候補として大統領選に臨むであろうと表明した。最近のIbope調査によると、ルーラ大統領などと大統領選に臨んだ場合、セーラサンパウロ市長が三一%と善戦しアウキミンサンパウロ州知事の二倍近い支持票を得ていることが大きく影響したらしい。前大統領はPSDB幹部会議に出席し、ネーヴェス・ミナス州知事やジェレサッチ党首の意向も同様らしいことを察したと思われる。
 次期大統領選への党公認選びで前大統領の意向は、セーラサンパウロ市長推薦で傾いたようだ。サンパウロ市長とサンパウロ州知事の間で競われた党公認に関する二者択一会議第一回目は、セーラ優勢で閉会した。サンパウロ市長在任一年での離任は、否定的印象を与えると案じる声もあった。それは有権者の意向次第で杞憂だとし、調査結果の推移を注意することにした。
 最新のIbope調査によると、ルーラ大統領やセーラサンパウロ市長などが一次選に臨んだ場合、市長は知事の倍近い差をつけてトップに躍り出ている。PSDB幹部会議は、市長と知事の党公認争い回避を想定して話し合った。前大統領は、個人的支援を一切しないことを明らかにした。
 アウキミン知事は任期の終盤にあり、時間的には次の段階として大統領候補の党公認は自然の流れであるが、有権者の意向優先が出席者大半の意見となった。三月末の決定までに党公認は目まぐるしく変化するが、今回の声明は、そのはしりにすぎないと前大統領は述べた。
 党は、単なる応援団に過ぎない。誰が国民の意向をくむのに賢明であるか、党は時計を見ながら見守るしかないという。支持率調査は、現在の状態を写し出した写真である。調査は分析の道具。調査結果で有権者が、候補を決めるかは疑問である。候補者の政治理念を有権者が容認するかや複雑な要素が、絡み合って投票を決めると、前大統領は信条を吐露した。
 またPSDBの政治理念について決め手がないこと、単なるPT政治の批判だけで国民が納得しないことも心配であると、前大統領が指摘した。
 サンパウロ州知事の畏友ジェレサッチPSDB党主は、党公認候補の選出に議員や知事らの意見を聞くことも重要であると指摘し、有力候補という見方に釘を刺した。同党首はサンパウロ市長を候補として異存はないが、サンパウロ市長の人柄と党との関係を再吟味する必要があると述べた。ネーヴェス知事は、特定個人の選挙参謀としての旗振りを拒否した。
 一方、大統領選への水面下作戦が活発化するに従い、モラルの低下を招く選挙運動を憂慮する声がある。歴史を振り返ってブラジルの大統領選挙は、山師的な駆け引きが伝統的行事で国家の発展がないがしろになっていたという指摘がある。選挙運動は勝つことが目的で、そのために手段を選ばない。政治家の質低下が、国民を失望させている。