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空の便遅れに罰金刑適用=二時間以上を対象に=会社側「悪天候避け人命尊重第一」

2006年1月28日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二七日】消費者擁護団体(PROCON)は市民の苦情を受けて、空の便発着が二時間以上遅れた航空会社に罰金刑を科すことを決定、当局に告発した。同団体では初めての試みとなる空港内の立入検査を行い発着時間の実態を検証した。
 それにより内外の航空会社七社に対し罰金刑の告発をした。各社の罰金は民間航空局の規定違反によりさまざまだが、平均して一社三〇万レアルに上ると見られている。検査はサンパウロ州グァルリョス市クンビッカ区のアンドレー・フランコ・モントロ国際空港で二十六日午前九時から正午まで行われた。この時間帯に六十機が発着したがこのうち三十一機が少なくとも四十分以上の遅れをみせた。罰金の対象となったのはヴァリグ(十機)、TAM(九機)、ルフトタンザ(四)、GOL(二)、さらにカナダ航空とアルゼンチン航空およびBRAが各一機だった。
 これまで民間航空局の規定では三十分から二時間までの遅延は許容範囲で、各航空会社が報告書を提出するにとどまり、二時間以上に関しては取りざたされていなかった。同航空局の監督官も二人しか常駐しておらず発着のチェックまでは手が回らなかったという。
 さらに同団体によると、航空会社は発着の遅れに対しアナウンスはおろか、窓口での説明も態度が悪い上に不十分だとして改善を申入れることを強調している。
  告発に対し各航空会社は九十日間以内に意義申立てを行う。
 会社側では天候不順とくに現在は夏型の暴風雨をともなった高気圧の影響で乱気流が多く、針路の天候をチェックする必要があり、人命尊重第一としており、遅れも止むを得ないとの立場を強調している、さらに今年は世界各地で降雪が多く、ドイツやカナダなどでダイヤが乱れて出発が遅れているのも原因となっているとし、不可抗力を強調している。