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コラム 樹海

 「法律で禁止されていなければ何をしてもいい」「人の心も金で買える」とホリエモン語録は威勢がいい。学生のときに起業しあっという間に「大虚業」に育て上げた手腕と頭の冴え。無一文からの出発だったのにライブドアの株価は時価1兆円近くになり、放送局や新聞を買収するの大騒ぎでは「新聞とかテレビを殺していく」と豪語もした▼堀江貴文容疑者の成功物語の秘訣は「企業買収」である。目をつけた企業を買い取り株式を分割する。そうすると株価は高騰し莫大な資金が手に入る―というホリエモン方式であった。こんな例はアメリカにもある。通信大手ワ―ルドコムも企業買収を繰り返し巨大通信社になったが、情報産業の崩壊で抱えた巨額の負債を隠蔽して粉飾決算に走り、エバ―ズ最高責任者は禁固25年の判決を受けている▼堀江容疑者もだけれども、同じIT企業である楽天の三木谷社長にも株主価値至上主義の考え方が強い。村上フアンドを率いる村上氏も「企業は株主のもの」である。これはアメリカに根強いものであり、日本の思考とはかなりギャップが大きく、ニッポン放送の株買占めの際にも議論があった。それでも―堀江人気は高まり、逮捕された後でもアメリカの有力新聞は「ホリエ支持」の記事が多いそうだ▼これは日米の考え方の違いであり、伝統的な人は守旧派とされ堀江・村上氏らは新しいと見られるが、どちらを取るかは難しい。それにしても、堀江逮捕の理由は粉飾決算などと真に暗い。まだ有罪と決まったわけではないが、もっときれいに颯爽と―。(遯)

06/01/28