アグリビジネス

2006年1月25日(水)

 豚肉輸出が〇五年、六十二万五千トンに達し記録更新となった。金額にして十一億六千七百万ドル、昨年比五〇・三六%増である。主な輸出先はロシアの四十万五千トンで全体の四〇・四七%、続いて香港の六万トン、その他七十か国。ところがロシア政府は〇五年十月、ブラジルで口蹄病が発生したため豚肉の輸入を一時中止した。そのためサンタカタリナ州の養豚業者団体が、事情説明のため訪ロした。
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 米系の遺伝子組み替え種子会社モンサントは〇六年下半期、肉牛や乳牛の性別精子販売に取り組むと発表した。同社はGENEX産業組合と合弁で、国際的精子ビジネスに挑戦することになった。ブラジルへの精子到着日は、GENEX次第なので確定していない。牛の精子販売は牛の性別を自由に産み分けられるので、特に牛乳を搾乳する酪農家から歓迎されると期待している。
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 サンパウロ市先物商品市場はアルゼンチンのロザリオ商品市場と業務協定をむすび、ブラジルの大豆とアルゼンチンの小麦に先物取引市場を設けることで合意した。サンパウロ市商品市場は、さらに中国のダリアン商品市場とも大豆の先物取引で業務協定を結ぶ。先物取引は〇五年、畜産の契約数で二五%増、金額で二九・二%増の成績であった。さきに政府はアルコール市場へ介入したことで、先物の市場関係者は政府の愚を諌めた。政府が先物取引に対し価格統制を行うのは、時代遅れだという。
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 TWB造船会社はブラジルのイーリャ・コンプリードとサルバドールで養殖したカッソン(ふか)を捕獲後、二十四時間以内にパリーのスーパー店頭へ並べるシステムを開発した。外国ではチリや中国がすでに養殖を営み、年間百億ドルを売上げている。イーリャ・コンプリーダ試験場の発育状況では、八か月から一年で六キロに成長する。成魚となると二メートルに達し、重量は四十キロにもなる。サントス漁港での取引価格は、トン当たり八ドルから十ドル。