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大統領選のPSDB党公認=サンパウロ市長、出馬で始動=政府を批判し政権交替を主張

2006年1月17日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】セーラサンパウロ市長は今年十月に行われる大統領選挙への出馬の意向を表明していないにもかかわらず、周囲では早くも出馬を視野に入れた選挙の前哨戦が始動したとの見方を強めている。
 市長が所属するPSDB党では先の幹部会で立候補者の一本化を決定、三月中に党公認を決めるとの申し合わせをしており、このためすでに出馬を表明しているアウクミンサンパウロ州知事との間で党公認獲得に向けて事実上一騎打の様相を呈している。
 セーラサンパウロ市長は、十三日に行われたサント・アマロ区の区制四五四年を記念しての文化会館開所式に出席し演説の中で現政権を批判。とくに国道改修工事に急きょ着手したのは、選挙運動以外の何物でもないと非難した。
 またルーラ大統領が四年間の任期は短すぎ、少なくとも一年は延長すべきだと発言したことに対し、四年任期は充分だとして期間内にいくらでもやる事があると反論した。さらにPT党はこれまで同一大統領の二期連続の続投に反対の立場を取ってきており、ルーラ大統領もこれを承知の上で出馬の表明をためらっているものだと決めつけた。
 一方で同市長はカサブ副市長の擁護論を展開し大統領選で辞任した後、副市長が市のかじ取りを立派にやりこなせることを示唆した。これは、アウクミン陣営のPSDB州議らが、副市長を批判する発言をしたことに反論したもの。州議らは副市長がPFL党所属であり、せっかくのPSDB政権を他党に易々と手渡すことになるとして、セーラ市長の出馬の阻止を狙っている。これに対し市長陣営側は、個人の発言は自由だとした上でサンパウロ州知事の真意とも受け取られ、党内統一にヒビが入る危険性があるとして批判的立場を取っている。
 出馬を決めているアウクミン知事はこれまでの歴史で党決定を尊重するのがPSDB党員の慣習であり、セーラ市長が出馬を表明した場合、党公認をめぐる良識ある争いに終始するとの立場を強調した。