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児童売春撲滅キャンペーン=売春側の摘発を開始=セックスツアーの取締りへ

2006年1月12日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】観光シーズン到来でツアー客の増加が見込まれるものを受けて、観光省は国際NGO(非政府系団体)の支援のもとに、児童売春撲滅キャンペーンを十日から開始した。この動きはユニセフ(国連児童基金)が提唱しているもので、タイやフィリピンと並び世界の児童売春の一〇%となっているブラジルに呼びかけられてきたもので、今回初めて政府が起ち上がったもの。
 タイでは、すでに二年前から実施されている。キャンペーンの特徴は売春側の取締りと併行し買春側も罪になることを広く知らしめることで、観光地の目抜通りに「買春は逮捕される」とのアウトドア広告を出して警告している。
 またホテルやレストランでも、同様の内容のパンフレットを配布始めた。支援しているNGOはアメリカに本部を置き、今回三十一万ドルの予算を投じているが、市町村などの地方行政の協力がなければ撲滅の効果は出ないと指摘している。しかし地方行政にとって観光は自治体財政のドル箱であり、建前と本音は別で痛しかゆしだとの冷めた態度を取っている。
 ブラジリア大学が一九九六年から二〇〇四年にかけて全国を調査した結果、九三〇市で児童売春が行われている。最も多いのが北東伯で二九二市、以下順に南西部が二四一市、南部一六一市、西部一二七市、北部一〇九市となった。
 また観光省のデータによると、全国一五一四の観光地のうち三九八ヵ所で児童売春の組織が存在しているという。これらは世界的な売春組織とつながっており、摘発は困難を極めている。
 リオ・グランデ・ド・ノルテ州の州都ナタル市はリゾート地として脚光を浴び、国内便が毎日三十便、海外からのチャーター便が毎週二十五便到着し観光のメッカとなったが、それにつれて児童売春も急増した。市内には二十九ヵ所の売春施設があり、他市からの出稼ぎも急増している。
 街路でフリーの客引きをしている一七歳の少女は、十四歳からこの稼業に染まり三〇レアルで客の相手をする。家政婦の賃金が週十五レアルであり一歳の子供を養うためにも転職できないでいる。彼女は八ヶ月の身重だが、大きな腹を好む客が結構多いといたずらっぽく笑う。
 リオ市当局によると、同市内には百人のうち十人が九歳から十一歳で、八十五人は十三歳から十七歳の少女でほとんどが他市からの出稼ぎだという。さらにカーニバル期間は増加するのが常だとのこと。