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男性にも下肢静脈瘤=長年放置し病状悪化=手術件数が増加傾向=「柔軟体操の習慣化を」

健康広場

2006年1月11日(水)

 「ずばこ」とは、下肢静脈瘤の別名だ。辞書によっては、「婦人病の総称」と書かれている。確かに女性に目立つ病気であるが、男性がかからないとは限らない。母親からの遺伝などが考えられるため。長時間の立ち仕事を強いられる、調理師などは注意が必要だ。男性は美容には鈍感なだけに、血管の怒張など症状に気付くのが遅れがち。病気が分かった時に、かなり悪化していることも少なくないという。

 心臓から送り出された動脈は、全身に運ばれた後、静脈を通って戻ってくる。血液が逆流しないためについている、静脈内の弁が破損し、血液が足の静脈に溜まってしまう状態が下肢静脈瘤だ。
 初期には血管が浮き出る程度で自覚症状はない。放置していると痛みやむくみが現れ、重症化すると、皮膚が壊死し潰瘍になる。
 長時間の立ち仕事、出産後の女性に目立つ病気だ。遺伝も主因の一つ。ミヤケ・カズオ医師(医学博士)は「母親に下肢静脈瘤があるなら、子供にもそれが現れる恐れがある」と語る。
 男性の場合には、肥満も危険因子だ。机に向かい、足を長時間動かさないことが発病を促す原因になりうる。痛みやむくみを感知するとはいえ、それらの症状が下肢静脈瘤であるとの意識が男性には希薄だ。
 「初期段階での手当ては、実に困難なんです」とミヤケ医師。たいていは、五十歳を超えてから病院に駆け込んでくるという。しかも発症から、十年~二十年も経ってからのことだ。
 治療法には(1)圧迫療法(専用ストッキング着用)(2)硬化療法(注射)(3)手術療法(静脈抜去手術など)──などが考えられる。「もし症状が現れた時すぐに治療すれば、そんなに長い間不快な思いはせずに済むのに……」。
 手術件数がこの四年間で、三割も増えた。ミヤケ医師は「容易で苦痛を伴わないようになったので、男性の多くが手術に同意するようになったのではないか」とみる。
 肉親に下肢静脈流の患者がいれば、予防策を講じなければならない。足、特にふくらはぎの柔軟体操が最も効果的。体重をコントロールするほか、長時間立っていたり、もしくは座っている状態を避けることも求められる。
 枕などを使って、足を体の位置よりも高くして就寝するのはどうだろうか? 確かに痛みや疲労を和らげる助けになる。しかし、予防効果はない。さらに足の上げ方がひどいと、肩を痛める恐れもある。
 いずれにしても、素人判断に頼らず、心当たりのある人は専門家に相談することが必要のようだ。

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