2006年1月10日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】アウキミンサンパウロ州知事は八日、大統領選への党公認を得るため四月一日までに知事職を辞任する意向を表明した。同じく大統領選へ意欲を燃やすセーラサンパウロ市長とPSDB(社会民主党)の党公認を巡って競うが、同知事は大統領選出馬以外に興味がないとし、無任所となった場合は党の指示に従う意向であることを明らかにした。同知事は昨年まで大統領選への党指名がない場合、十二月三十一日まで知事職に留まる意向であった。だが党執行部は、サンパウロ市長が大統領選出馬の地固めをする前の四月一日以前に知事を辞任するよう勧めた。
次期大統領選の支持率調査によれば、アウキミンサンパウロ州知事はセーラサンパウロ市長の後塵を拝している。しかし、支持率調査は過去の反映であって未来とは何の関係もない別物であると、党PSDB公認に賭けて知事は挑戦する意向を表明した。
支持率調査は決定的要因ではなく、指標的要因であると同知事は述べた。同知事の周辺は大統領選に向け、全て順調にお膳立てが整いつつあり自然の成り行きだとしている。
サンパウロ州知事は大統領選に向け党から指名されることで自信を深め、四月一日以前の知事辞任にはちゅうちょしない様子である。選挙法によれば、四月二日以降 知事職に留まると、大統領選への立候補資格を失う。
同知事辞任に伴い、サンパウロ州長官も多数辞任する模様。サンパウロ市長が既成事実を構築する前に、知事側も手を打つ作戦のようだ。セーラ陣営は、知事の抜き打ち作戦に戸惑いの色を見せている。
アウキミン知事はサンパウロ州外でPSDB内根回しに遅れを取っており、大統領候補指名は今一と、セーラ陣営は踏んでいる。
もし同知事が辞任すると、クラウジオ・レンボ副知事(PFL=自由前線党)が昇格し残る九か月、サンパウロ州知事職を司る。同知事が四月一日以前に辞任すると、セーラ市長も辞任する可能性が起きる。そうなるとサンパウロ市はカサブ副市長の昇格で、サンパウロ州市ともにPFLの天下になりそうだ。
同知事の上議選出が噂されていたが、本人は否定。上議への立候補は、党が命令する場合に限るという。同知事はブラジルの発展に尽くす管理職が本命であり、それには大統領職しかないと言明した。
これまでの支持率調査が示す右肩上がりは、PSDBへの期待だと同知事はいう。セーラかアウキミンかはラジオやTVの政見放送が始まれば、結果は判然とすると自負する。
国会を賑わしている政治危機について同知事は、記者団の質問にこう答えた。有権者が成長し衝動的投票や気まぐれ投票が減り、政治に関心を持つ者が増え倫理観も向上し、有権者の適切な裁きが選挙を通して行われると述べた。
倫理観の疎い有権者は、相変わらず失敗を繰り返し自分の生活に跳ね返る。政治家の言葉と行為の間には、超え難い谷間がある。国民は口から出まかせの公約に、二度と騙されない。国民は、大統領が思っている程バカではないと同知事は記者団に語った。