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サンパウロ州=集中豪雨で各地に被害=土砂崩れ4人死亡=半日で一カ月の平均雨量超える=防災予算不足で被害拡大

2006年1月5日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】二日夜半から三日朝にかけてサンパウロ州を襲った集中豪雨は各地で被害をもたらし、四人が死亡、一人が行方不明となった。ソロカバ市では十時間で一カ月の平均雨量を超える一一〇ミリの降雨を記録、サンパウロ市内および近郊では雨水を貯えるために設置された貯水槽が氾濫し、近辺の住宅を水浸しにした。サンパウロ市内では十七カ所で出水があり、交通が遮断された。また近郊の国道も水浸しとなり、走行中の車が水没するなどの被害が続出した。気象庁はこの天候が六日まで続くとしており、各当局は警戒を呼びかけている。
 サンパウロ州全域で十時間以上にわたり豪雨が続いた。中でも三日午前一時半から一時間にかけての雨足が激しく、ソロカバ市では一一〇ミリ、ヴァルゼア・パウリスタ市では一一一ミリという一カ月の平均雨量に相当する雨量を記録した。ピラジュサラ区は七時間で七七ミリ、サンパウロ市内のその他の地区では二九・四ミリだった。サンパウロ市内ではマージナルや五月二十三日通りなどの主要幹線が水浸しとなり、一時通行止めとなった。
 ジュジアイ市に近いヴァルゼア・パウリスタ市では各所で地滑りが発生、中でもビラ・レアル区では幅二十五メートルにわたる土砂崩れが起き、崩れた家屋の下敷きとなって三十八歳と十三歳の母娘が死亡した。サンパウロ市近郊のフランシスコ・モラト市でも土砂崩れで十九歳と生後七カ月の母娘が犠牲になった。ソロカバ市では六十八歳の男性が濁流に呑まれて行方不明となっている。
 雨は三日夜になっても降りしきり、とくにサンパウロ市内の北部、東部、中心部を襲ったため、市当局では全市にわたり警戒警報を発令した。午後十時半には十一カ所で出水が見られ、うち七カ所が通行止めとなった。
 ビラジュサラ区では降雨量が一カ月平均の三分の一を記録したことで、五つの貯水槽が溢れて氾濫、近辺の家屋の浸水は二メートルの高さとなった。浸水が突然だったため住民は着のみ着のみのままで避難を余儀なくされ、家財道具のほとんどを失った。この貯水槽は五十八万立方の貯水容量だが雨量が能力を超えた。当局では貯水槽がなければ被害は莫大になっていたとの談話を発表するとともに、さらに二カ所に建設計画があることを明らかにした。
 いっぽうで降雨により漏れが貯水湖に流れ込み、上水道の処理が追いつかずにソロカバ市では給水がストップし、五十六万世帯が給水車による配給に頼っている。このほかバルエリ、ジャンジーラ、イタペビの各市でも給水停止となっている。
 被災地を視察したアウキミン州知事とセーラサンパウロ市長は、こぞって防災対策の予算の交付を連邦政府が出し渋っているとの不満を表明した。