2005年12月28日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】ルーラ大統領は二十六日、年末の辞として全国民に、二〇〇六年が経済成長の年であることを公約でなく保証すると明言した。財務相が行った〇六年度経済の施政方針の反復であったが、融通性を欠いた通貨政策に関与した大統領自身が、基本金利の低下に努めると強調した。社会経済開発銀行(BNDES)の長期金利も低減の方向で通貨審議会が努力するとした。これらの施策により投資や起業、雇用創出、所得向上、消費回復、企業発注の増加で経済の活性化が起こり、〇六年は活気に溢れ、足が地に着いた前進の年になると語った。
〇六年は五%の経済成長率と発表したパロッシ財務相の経済方針の焼き直しであったが、大統領は第3・四半期の低率成長が気になり、経済成長率にこだわっているようだ。〇六年を締めくくるにあたり、大統領は経済成長を公約ではなく保証だと強調した。
〇四年の順調な経済成長の後、〇五年の落ち込みから基本金利の低下で挽回を図る考えらしい。〇三年と〇四年、〇五年に行ったことは必要があって行ったこと。政府はインフレ抑制に力を入れるあまり、国民に犠牲を強いることになったと弁解した。
インフレ目標を達成した今、次は金利低下に取り組むという。インフレ抑制と高金利に固執するあまり経済成長の後退を来たし、政府内でも経済政策への批判が百出した。〇五年度の経済成長率は三・五%と見込んでいたのに、二・五%に落としたからだ。
大統領は低調な経済の反面、国際通貨基金(IMF)の融資一五五億ドルを前倒し決済したことで自分を慰めているようだ。大統領選を目前に控えた大統領にとって、〇五年唯一の救いであった。
IMF決済が経済の流れを変えるわけではないが、大きな批判を呼んだGDP(国内総生産)比四・二五%の財政黒字確保に執着した言い訳にはなる。このIMF決済を分水嶺として、〇六年の巻き返しに大統領は賭けるらしい。
大統領はまた、通貨審議会が長期金利の低下にも取り組むので、〇六年は設備投資の喚起が期待されるとした。設備投資は産業の勃興を呼び、ブラジルの発展につながる鍵だ。大統領と国民の夢が設備投資によって可能になるという。
大統領はラジオで目下の問題には触れないが、招待者が大統領選への出馬に触れた。大統領の役目は日々の政治と経済成長に気を配ることで、大統領選への出馬に頭を悩ますことではないと質問を退け、野党の攻勢をけん制した。
〇六年大統領選に向けた告発攻勢に食傷気味の大統領は、選挙が経済成長へ支障を来たしてはならないし、経済成長と選挙は切り離すべきだと語った。政府も経済成長のため、政治危機には振り回されないと大統領は述べた。
政府は地理統計院の前向きな統計結果や順調な経済指数、三年間の政治実績があること。政治危機に際し政府は野党の策略に乗せられなかったことなど、国民が事実を認めると大統領は年末の辞を締めくくった。