2005年12月09日(金)
カルナヴァルのテーマに日本移民!? グルッポ・エスペシャルのエスコーラ・デ・サンバ「ローザ・デ・オウロ」、「ウニードス・ダ・ヴィラ・マリア」両マーケティング担当者がブラジル日本移民百周年祭典協会を訪れ、会合を持っていたことが本紙の取材でこのほど分かった。「ローザ」は〇八年、「ヴィラ・マリア」は〇七年に日本移民をテーマに取り上げたい意向で、資金などの面も含めた協力が可能かどうかを検討したという。名門「ヴァイ・ヴァイ」のカルナヴァレスコ(パレードの総合監督)を務め二回の優勝に導いた成戸稔さん(二世、62)は「実現にはスポンサーをどれだけ集められるかが問題になってくるだろう」と話している。
協会の田中洋典祭典実行委員長は「話としてはとても面白い」と話し、百周年でもパレードを行うことにしているため、「そのノウハウも学ぶことができる」と期待の笑顔を見せた。
十一月中旬に「ローザ・デ・オウロ」のマーケティング担当者であるパウロ・サンターナ氏が同協会事務局を訪れ、日本移民をテーマに考えていると明かし、「山車には笠戸丸を考えている」。また、「太鼓グループに参加してほしい」と要請したという。
カルナヴァル終了後はその笠戸丸を、六月二十一日に行われる移民百周年式典で使用することを了承、技術面での協力も約束するなど、協会としてはまさに「渡りに船」の条件だ。
「ヴァイ・ヴァイ」は移民九十周年を迎えた九八年、日伯文化統合をテーマに選び、サムライ、忍者、傘踊りやラジオ体操協会までパレードの表舞台に押し上げた。結果は優勝。二匹目のドジョウは日系コロニアにあるのか――。
「最終的にはスポンサー次第」。会合にも出席した成戸氏は資金面での問題を指摘する。
同氏によれば、マーケティングもしっかりしており、資金力もある「ローザ」で、カルナヴァルの総費用に三百万から五百万レアルが必要だという。「市が協力する部分もあるが、百五十万から二百万はスポンサーに委ねられる」
「〇八年はポルトガル王室がブラジルに移遷して二百年にあたることもあり、他にも大きなテーマがいくつかある」と話し、決定する一年前までにどれだけのスポンサーを集められるかが重要となってくるようだ。
「エスコーラ側は日本企業に期待しているようだが、カルナヴァル、百周年の両方だと企業側も難しいのでは」と分析。「これからも他のエスコーラから打診が百周年協会にあると思う。どこかが取り上げてくれたら素晴らしいね」と話した。
カルナヴァルに日本移民がテーマとして取り上げられれば、ブラジル国内に日系社会、そして百周年をアピールする絶好のチャンスとなる。この好機をどう活かし切るか。百周年協会の新たな課題といえるだろう。